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DEHP: di-ethylhexyl phthalate
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DEHP)
実験化学者にとっては「悪魔の化合物」。この化合物を意図的に実験に使ったことは「ありません」。
とある有機合成を行っていて、TLC上に紫外吸収のあるスポットが見つかり、シリカカラムで精製し、NMRスペクトルを測定すると、たまにこの化合物だったりすることがあります。この化合物が得られると、その実験はほぼ間違いなくボツです。
ボツなのですが、このテの経験をするか、周囲にそのような経験をする/した人がいないと、DEHPのドツボにはまったことになかなか気づかないでしょうし、NMRスペクトルがDEHPであると判断するまでに、長い時間を要するかもしれません。紫外吸収のない化合物を反応に使用していても、こいつが現れるくらいですから。
このDEHP、排気チューブ等に、可塑剤として添加されている化合物なのです。何らかの原因でチューブから溶け出し、反応容器等に入り込んでしまうと、上記のようなことが起こってしまうのです。
DEHPが入ってこないよう、極力注意を払うことはもちろんですし、万が一入ってしまった場合のことを考えて、DEHPのスペクトルデータを収集しておくことも必要です。努力が無駄にならないために。
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