Thursday, August 9, 2012

【本日の化学略語】MA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

MA: methyl acrylate
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=MA)



大学院1年の時に初めて使用したと思います。

MA、市販品には重合禁止剤が入っていたり、時間が経つにすれ少しずつ重合していったりするので、実験に使用する直前に精製しなければいけませんでした。精製方法は、常圧での単蒸留か、減圧下でのtrap-to-trap蒸留かなのですが、減圧下での蒸留は操作等がややこしいので、どうしても常圧で蒸留したくなってしまいます。
んで、操作が楽な常圧での単蒸留は、器具をセットして加熱して見てるだけなのですが、落とし穴があります。下手な加熱をしていると、蒸留釜のMAが重合してしまい、固まってしまうのです。しかも、重合はある時突然起こり、一瞬で終わる…つまり、重合がスタートすれば止まらないのです。

私も一度単蒸留で蒸留釜の中のMAを重合させて、カチカチにしてしまいました。やりなおさないといけないし、カチカチなものは洗浄溶媒に溶けてくれないしで、トホホでした。

トホホな経験をした後は、MA、減圧下でのtrap-to-trap蒸留で精製しています。慣れれば断然楽だと思いました。

Sunday, July 29, 2012

【Nanoniele】最近のエンジン改良

更新記録を残すのを忘れてました

化学略語一覧・検索サイトNanoniele、エンジンを少しずつ改良しています。

(1) ヒット率の向上
 たとえば、GC-MSやGC/MS、GCMS等、検索キーワードのちょっとした違いを無視できるよう、少しずつではありますが、キーワードの内部変換機能の改善を行っています。
 具体的には

・アルファベットの小文字を大文字に
・全角アルファベットを半角に
・半角スペースの除去
・ピリオドの除去
・カンマの除去
・"and"の除去
・"the"の除去
・"-"の除去
・"/"の除去

等です。

(2) 検索ランキング等の表示
 検索キーワードのランキングを集計する機能をエンジンに付け、集計結果を表示できるようにしました。同様に、検索されたキーワードや、新規に登録したキーワードも表示できるようにしています。
 なお、検索ランキング及び集計結果には、検索結果を向上させるために変換されたキーワードが表示されています。

今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

Friday, July 13, 2012

【本日の化学略語】DCE

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DCE: 1,2-dichloroethane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DCE)



大学院の修士1年の時に初めて使いました。

当時、希土類ルイス酸を使う新反応の探求をしてました。反応溶媒として、極性が高く、配位力の小さいDCMを使い、室温で反応をさせてましたが、なかなか進まないので、反応温度を高くしようということになりました。しかし、DCMの沸点は40℃弱。室温というと25℃前後ですので、DCMでは反応の加速効果は得にくい。クロロホルムでは何やら変な反応が起こりそう。ということで、DCEがDCMの代替溶媒として候補に挙がったのです。

DCE溶媒を使い、80℃程度で反応を行うと、室温の場合よりも確かに反応の速度は上がりました。副生成物もできたりするのですが。沸点が高いので、DCEの除去が難しく反応混合物からの再結晶が少しやりにくいというデメリットもあります。

あとは毒性ですね。

Wednesday, July 11, 2012

【本日の化学略語】pin

化学略語の検索サイト→Nanoniele

pin: pinacol
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=pin)




初めて扱ったのは学部3年の学生実験でした。

かなり記憶が薄くなりましたが、アセトンをHgCl2/Mgで還元的にカップリングさせて合成したのだと思います。HgCl2をMgが還元して水銀が生成、Mgは表面の酸化皮膜がはがれて金属むき出しとなり、Mg-Hgアマルガムができて還元を促進するとか、そういうのを実験前にレポートし、担当教官(当時)のOKがもらえないと実験が許可されないとか、少し厳しめだったと思います。

んで、得られたpinは濃硫酸でピナコール転移させてピナコロンとし、ヒドロキシルアミンと反応させてオキシムにするとか、そんなんだったと思います。

このpin、学生実験で扱うぐらいだからとタカをくくっていたのですが、研究室に配属された後、価格を調べると…高い。しかも、モタモタしていると水分を吸収してベタベタになる。

こんなん大量につくらせるとは、きんちゃん恐るべし、です。

Tuesday, July 10, 2012

【本日の化学略語】NBE

化学略語の検索サイト→Nanoniele

NBE: norbornene
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=NBE)



いつ使い始めたのかはわからないのですが、大学院の1年の頃には使用経験者になっていたと思います。

ふたを開けるとなんとか飴のような匂いがするのだけは強力な記憶があります。用途はラジカルや有機金属等の活性種の補足剤がメインでした。

この化合物、昇華性があり、購入後放置していると瓶の蓋に結晶が大量にくっついたりしますし、蓋の締めが甘いと中身がなくなってしまいます。固体なので沸点が高いと錯覚してしまいます。

反応前に生成して使用するのですが、昇華性なので常圧での単蒸留は不可なので、減圧下でのtrap-to-trap蒸留を行ってました。

んで、この化合物でも私はやらかしてしまったのです。

trap-to-trap蒸留では蒸留釜と受器の間にブリッジがあります。器具をセットして蒸留を始めるわけですが、楽をしたいので蒸留釜を温風で暖めるわけです。暖めると、蒸留釜の中にある固体のNBDが、気化しながら踊るわけです。気化したNBDは冷やされた受器で固化する、はずなのです。

蒸留釜を暖め続け、釜の中のNBDはきれいになくなりました。蒸留が終わった〜と器具をばらして受器を見ると…NBDが妙に少ないのです。おかしいなあと思うがぱっと見異常は見られない。まあ数回の実験に使える量はあるし、器具はきれいそうだから、と、洗浄用のアルカリバスに器具を放り込んで数時間後…

アルカリバスが妙に臭い。例のなんとか飴のような匂いが強烈にするのです。

器具を取り出してみると…ブリッジが白く濁っている…そう、ここでようやく何が起こったのか、理解できたのでした。つまり、蒸留釜で昇華したNBDは、受器ではなく、ブリッジで固化していたのです。しかも、ブリッジ内部のガラス表面に、境目なく薄く広く、です。たぶんガラスとNBD屈折因子がうまくマッチして、ぱっと見NBDの存在に気づかなかったのでしょう。

この件以降、trap-to-trap蒸留ではブリッジも暖めるよう、気を配るようになりました。


Monday, July 9, 2012

【本日の化学略語】CHX

CHX: cyclohexane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=CHX)



何かの反応の溶媒効果を調べるために使ったんじゃないかと思います。反応の際に発生するラジカルがCHXと反応する可能性も考慮していたのではないかと、私のことですから。

驚いたのが融点。n-ヘキサンは冬でも凍ることは決してないのですが、CHXの融点は6.5℃。ベンゼンよりも高い。寒いと凍るんです。寒い冬の朝、フラスコの中に白い塊があるのを見て「これなんだっけなぁ」としばらく考えて、ああ、CHXかと思い出すんです(一応ラベルは貼ってあるのですが、遠くて字が読めない)。

節電でエアコンをほとんど使わなかった今年の1〜2月は、よく凍ってました(関東)。

Tuesday, July 3, 2012

【本日の化学略語】TMAO

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TMAO: trimethylamine N-oxide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TMAO)



私自身は扱ったことはないのですが、院性時代、研究室のメンバーが使っていました。酸化剤としてではなく、反応剤として炭素−炭素結合形成反応を追いかけていたと記憶しています。

類似のアミンN−オキシドを合成するには、アミンと過酸化水素等を使用していたと思いますが、反応後、精製のために水の除去が必要であり、これがなかなか大変だったとメンバーの一人が言ってました。水が十分除去できないと、カリっとした固体ではなく、ベトベトしたものになるのだとか。

Friday, June 8, 2012

【本日の化学略語】ACE

化学略語の検索サイト→Nanoniele

ACE: acetone
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=ACE)



アセトンの略語があるとは驚きです。

最初に扱ったのは学生実験の後片付けの時。「なんかくっさいけど汚れはよく落ちるぞ」というのが最初の印象でした。

研究室に配属されてからも、洗浄液や冷媒として扱うのがほとんどで、洗浄液としてのアセトンの思い出は、私の場合、ほとんどありません。

冷媒として使ったアセトンには、ひとつ、ヒヤっとした思い出があります。反応容器の冷却は、研究室にひとつだけあったクールパイプとアセトンを組み合わせて行っていましたが、クールパイプが故障したり、使いたい人が複数いる時には、ドライアイスで代用していました。ちなみに、ドライアイスは、研究室に入りたての頃は学外のドライアイス屋(食品販売店かもしれません)に、車で買いに行っていました。

ドライアイスとアセトンで冷媒を作り、フラスコを浸して反応を行った後、不要となったドライアイス入りのアセトンバスからドライアイスを取り出し、冷たいアセトンを室温に戻していたのですが、ちょっとめんどくさくなって、ちょっと冷たいけどまあいいかと、廃液入りのポリタンクにアセトンを廃棄したのです。ところが、ドライアイスがを除ききれていなかったためか、廃棄した直後にポリタンクからCO2となんだかわけのわからない液体とか吹き出してきたのです。幸い吹き出したのは少量で、保護メガネも付けていましたので、特に何事もありませんでしたが、もし大量に吹き出したり、廃液に毒々しいものが大量に入っていたかと思うと、ゾッとします。

このことがあって以降、どんなことがあっても冷媒として使用したアセトンは室温に戻してから廃棄するか、エバポレータで回収するようになりました。怖い怖い


Thursday, June 7, 2012

【本日の化学略語】TEP

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TEP: triethyl phosphite
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TEP)



Michaelis-Arbuzov反応の基質として使用していました。アシルホスホン酸エステルとか、アルキルホスホン酸エステルとか。

先輩たちから「くっさいど〜」と脅されていたので、ある程度の覚悟はしていましたが、実際にその匂いを嗅いでみると、えげつないこと、えげつないこと。ただ、揮発性は低くないので、少しがまんしていれば匂いはなくなります。

Michaelis-Arbuzov反応、過去に亜リン酸トリエチルとヨウ化エチルと反応させてたことがあったのですが、エチルホスホン酸とともにヨウ化エチルが生成し、これがまた亜リン酸エチルと反応する、ということで、反応容器の中にどちらを先に入れておいてどちらを後からゆっくり加えればいいのか、当時の私はビクビクしながら実験を進めていました(間違えると、反応が暴走する)。臭化物だと反応自体が遅いのでより安全ではあるのですが。

順番も大事なのですが、ヨウ化アルキルの場合は反応性の高さ故ゆっくり加えることも大事だったりします。昔、一度だけ反応を暴走させました。亜リン酸トリエチル入りの滴下漏斗のコックをうっかり前開にしてしまったのです。反応はすぐに暴走を始め、容器の隙間から勢い良く反応混合物が噴出し、実験室にミストが充満する結果に。

ミストがドラフトに吸い込まれるまで一旦実験室から退避したので、人体的には何事もありませんでしたが、あの時の実験室の臭さは今でも記憶に残っています。



Wednesday, June 6, 2012

【本日の化学略語】GBL

化学略語の検索サイト→Nanoniele

GBL: γ-butyrolactone
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=GBL)




ケテンシリルアセタールの異性化の研究を行っていた時、GBLシリルエノラートの合成に使用していました。

GBLをLDAと反応させてリチウムエノラートとした後に、TMSClでシリル化すると、環状のケテンシリルアセタールが生成します。これを使って、いろいろ検討してました。

GBL、冷暗所で保存していても、少しずつ重合していくので、使いたい直前に購入してすぐに蒸留する必要があります。でも、研究室に使い残しがあると、それを使わざるを得ず、しかも重合が進んでいるものだと欲しいモノマー量を確保できないとか、少々フラストレーションの溜まる化合物だったりします。

私が学生の頃所属していた研究室の、お隣の高分子系の研究室では、希土類錯体を使ってGBLのリビング重合を行ってました。源さん。


Tuesday, June 5, 2012

【本日の化学略語】DEHP

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DEHP: di-ethylhexyl phthalate
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DEHP)




実験化学者にとっては「悪魔の化合物」。この化合物を意図的に実験に使ったことは「ありません」。

とある有機合成を行っていて、TLC上に紫外吸収のあるスポットが見つかり、シリカカラムで精製し、NMRスペクトルを測定すると、たまにこの化合物だったりすることがあります。この化合物が得られると、その実験はほぼ間違いなくボツです。

ボツなのですが、このテの経験をするか、周囲にそのような経験をする/した人がいないと、DEHPのドツボにはまったことになかなか気づかないでしょうし、NMRスペクトルがDEHPであると判断するまでに、長い時間を要するかもしれません。紫外吸収のない化合物を反応に使用していても、こいつが現れるくらいですから。

このDEHP、排気チューブ等に、可塑剤として添加されている化合物なのです。何らかの原因でチューブから溶け出し、反応容器等に入り込んでしまうと、上記のようなことが起こってしまうのです。

DEHPが入ってこないよう、極力注意を払うことはもちろんですし、万が一入ってしまった場合のことを考えて、DEHPのスペクトルデータを収集しておくことも必要です。努力が無駄にならないために。

Monday, June 4, 2012

【本日の化学略語】HMDS

化学略語の検索サイト→Nanoniele

HMDS: 1,1,1,3,3,3-hexamethyldisilazane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=HMDS)




初めて使用したのは大学院修士2年の時でした。といっても、有機合成に使ったわけではありませんでした。

使用目的はGCカラムのシリル化。

新反応の開拓をしていて、GCで反応の進行具合をチェックしていましたが、GCピークがなんだか幅広いので(厳密に言うとテーリング)、もしかしたらGCカラムの劣化かもしれないと、HMDSでGCカラムの固定相のシリル化を試みたのです。結果は、全く改善されず。改善されなかった理由は…忘れました。

当時のGCではガラスカラムを使用しており、GCピークが妙なことになってきたら、充填剤を交換していました。交換直後はGCオーブンを高温に設定してカラムからの「ゴミ出し」を長時間かけてする必要があったので、そのめんどくささを回避するために、まあ試しにという流れだったと思います。HMDSで改善されなかったので、結局、通常通りの充填剤交換となりました。

ガラスカラムへの固定相の充填は、アスピレータか二連球ゴムで空気の流れを作りながら、電動のマッサージ機みたいなものでガラスカラムに振動を与える、という割と簡単な作業でしたが、慣れないと直径ミリ程度のガラスカラムを折ってしまうこともあり、折ると充填剤抜き出し&バーナーで直管つなぎという作業が加わります。

当時、比較的高価なガラスカラムの予備は研究室にはほとんどなく、それ故にGCピークの異変はシリル化〜直管つなぎまでのトホホな作業量の潜在リスクを孕んでいたのです。

Friday, June 1, 2012

【本日の化学略語】PEG

化学略語の検索サイト→Nanoniele

PEG: poly(ethylene glycol)
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=PEG)

PEGを使うようになったのは、大学院修士2年の時だったと思います。

当時、オイルバスの油にはシリコーン油を使っていましたが、高価であり、あまら加熱しないのであれば他の油でもいいのではという話になり、PEGが候補に挙がりました。しばらくはPEGを使っていたのですが、もっと安価ななのがないかとなり、天ぷら油を使うようになりました。天ぷら油であれば、汚染されていないものは固めて廃棄するだけで良いので、後処理も楽でした。ただ、汚染された天ぷら油は廃油として業者さんに処理してもらわなければならいのですが、シリコーン油と混ざらないので、ちょっと厄介でした。まあ、混ぜなければ良いのですが。

…ええっと、PEGの話でした。実験ではPEGはピリジン系配位子合成の溶媒として使いました。2-アセチルピリジンとごにょごにょをPEG中で混ぜて、混合物を水に注いで固体を出し、ろ過して取ってエタノールかなにかで再結晶というものだったと記憶しています。他、発光材料の分散材として試したこともありました。使ってたPEGは確か分子量は300くらいものだったかと。

PEGを反応させて何かにするとかはやってないなぁ。

Thursday, May 31, 2012

【本日の化学略語】NBS

化学略語の検索サイト→Nanoniele

NBS: N-bromosuccinimide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=NBS)



新反応の開発が研究のメインだった学生時代は、見てるだけの化合物でした。

初めて見たのが研究室配属後、同級生が学生実験用の化合物合成で使用していました。

その次に見かけたのが、リチオ化した化合物の臭素化で使用しているところでした。ただ、この実験は失敗に終わりました。というのも、溶媒にTHFを使用したのが原因で、NBSをフラスコに加えたところで発熱反応が起こり、THFのポリマーが生成してしまったのです。

学生時代にNBSを使うことはありませんでしたが、ポスドク時代以降はあれこれ有機合成らしいこともしましたので、頻繁に使うようになりました。主な使用目的は、芳香族化合物の臭素化です。だいたいは、DMFプロピレンカーボネートを溶媒とし、混ぜて攪拌して抽出して再結晶という行程でした。

気を使わずに使える臭素化剤(臭素だとこうはいかない)として、ラボ用冷蔵庫に入れておいて損はない常備薬のひとつです。


Wednesday, May 30, 2012

【本日の化学略語】CN

化学略語の検索サイト→Nanoniele

CN: coordination number
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=CN)

配位数です。

d-ブロック遷移金属錯体では、CNが4とか6とか少なめで、研究も多く行われていたのですが、私が扱っていたのはf-ブロック遷移金属(ランタノイド)錯体で、こいつのCNがもうあれでして。

ランタノイドのイオン半径は、d-ブロック遷移金属のよりも長いため、CNが多くなります。多いだけなら良いのですが、配位不飽和なのをカバーするためにオリゴマー化したりして、構造がカオスだわ溶解性が落ちるわデロデロになるわで、何かと大変な思いをしてました。

私が単離したランタノイド錯体の中で最もCNが少ないのは、Yb(Ph22CNPh)(hmpa)3で、5配位。この錯体、空気中では瞬時に分解しますし、粉末を下手に扱うと火の粉となる、ちょっと危険なものでした。合成法は簡単で、Ph22CNPhと金属YbとHMPAを、THF溶媒中で攪拌するだけ。THF蒸留釜でNa/ベンゾフェノンを作るのとほぼ同じです。

この錯体、HMPA配位子のおかげで超配位不飽和な状態にあり、その性質をうまく使った様々な反応の触媒として使えることを後輩達が見つけてくれました。とても感謝しています。

Tuesday, May 29, 2012

【本日の化学略語】DCPD

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DCPD: dicyclopentadiene
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DCPD)



この化合物に初めて触れたのは、大学3年の学生実験だったと思います。

シクロペンタジエンと無水マレイン酸のDiels-Alder反応だったと思いますが、シクロペンジエンを得るために、DCPDを熱分解しながら蒸留する必要があり、学生実験にもその操作が組まれていました。

当時の私(達)は、学生実験室のDCPDを蒸留釜へ入れ、加熱して蒸留したわけですが、30分もかからずに蒸留は終わりました。んで、「この実験楽勝〜」とか思っていたわけです。

その後、研究室に配属され、実験にシクロペンタジエンが必要になり、DCPDから蒸留しようとしたわけです。「楽勝楽勝〜」と夕方あたりから始めたわけですが、

いくら待っても出てきませんでした

なんでなんだろとしばらく考えてたのですが…どうやら、学生実験の時に蒸留釜へ入れたのは、DCPDではなく、シクロペンタジエンだったようです。
つまり、担当の先生か、先生の研究室の学生が、予めDCPDを熱分解・蒸留してくださっていた、と。

考えてみれば、そりゃそうです。学生実験では水浴でDCPEを熱分解してましたから(ありえん)。

Monday, May 28, 2012

【本日の化学略語】Bn

化学略語の検索サイト→Nanoniele

Bn: benzyl
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=Bn)



(画像はBnBr)

Bn基を持つ化合物の中でよく使った化合物は、BnNH2でした。アルデヒドやケトンなと反応させてアルジミンやケチミンを合成し、希土類金属と反応させてどのような生成物ができるかを調べていました。秤量した後、ベンジルアミンが付着した器具を放置していると、表面に付着した液体が白い固体に変わっており、ああ、こいつを扱う時には操作を手早くしないといけないのだなぁと思ったものです。揮発性がそれほど高くないにも関わらずアンモニアのようなにおいがしてましたが、これはベンジルアミンものものなのか、分解して生成したアンモニアなのかは、よくわかりません。

他の化合物としては、画像のベンジルラジカル発生剤として使ってました。この化合物も放置すると分解してHBrが発生するせいか、眼が痛くなってきたことがありました。この化合物を使う人は必ず一声出すという、暗黙のルールが自然にできてました。

使った器具は早く洗うという癖がついたのは、これらの化合物、特にBnBrでの経験が大きいようです。

Friday, May 25, 2012

【本日の化学略語】phen

化学略語の検索サイト→Nanoniele

phen: 1,10-phenanthroline
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=phen)



この化合部私が使った記憶は薄いのですが、同級生が研究で使用していました。

Grignard反応剤(あえて試薬とはいいません)の滴定に、同僚が使用していましたし、先輩はC-H結合活性化の触媒の配位子として使っていました。

phenの存在を知ったのは、大学3年生の、有機化学の講義で。私の居た大学では、青い表紙で、15 cmはあるかと思われる厚さの、モリソン&ボイドの教科書(英語です)を、1〜3年で使っていました。確かカルボニル化合物のあたりの講義が行われていたはずだったのですが、講義の1/3くらいは、担当の教授の研究の話だったような気がします。着任し研究室を立ち上げて間もなくだったらしく、研究室にいい学生を入れようという意図があったのかもしれません。

で、私はそこの研究室を志望し、配属されたのです。キーワードは触媒。
高校で触媒という言葉を知り、「化学反応で楽ができる」機能が気に入っていたのです。

私は今でも「楽(らく)し〜」で、楽をするためにはどうすればいいか、一日中考えています。


Thursday, May 24, 2012

【本日の化学略語】Py

化学略語の検索サイト→Nanoniele

Py: pyridine
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=Py)



この化合物のにおいをはじめてかいだのは学部の3年生の時でした。私が使っていたのではなく、発酵系の学生実験で使われていたピリジンの蒸気が、外へ出ていたのだと思います。ちなみに私は応用化学系でした。

研究室に配属されてからでは、使ったのは修士2年の時だったと思います。希土類金属を使って有機化合物を効率よく還元する時の添加剤を探している時に、アミンの代表として使いました。HMPA)より添加剤としての能力は劣り、無添加と結果が変わらないという残念な結論に達しましたが、その後、ピリジンは塩基として原料合成等で頻繁にお世話になりました。

学生時代、ピリジンを吸うとタネやられるぞとか言われました。また、ピリジンをよく使うと結婚して雄しか生まれないとか、雌しか生まれないとか、そういう話を聞きましたが、話の真偽については正直わかりません。何らかのロジックはあるのでしょうが、裏付けのための統計がないんじゃないかと。ホント、ようわかりません。

Wednesday, May 23, 2012

【本日の化学略語】TFA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TFA: trifluoroaetic acid
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TFA)



初めて使用したのはM2の秋ですが、研究室に配属された直後から、先輩が使っていました。

酢酸も純度の高いものは皮膚を侵すことが知られていますが、トリフルオロ酢酸、フッ素原子が3つあるだけあり、それ以上に強烈です。沸点も酢酸より低いですから、濃い蒸気を吸うと、少なくとも呼吸器をやられます。えげつないです。

そんなトリフルオロ酢酸ですが、ランタノイドルイス酸の配位子というかアニオン源として、私は使いました。トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸を使った場合とどう違うのかを知りたかったのです。いくつかモデル反応を試しましたが、酢酸塩とあまり差がなく、トリフルオロメタンスルホン酸塩より劣り、結局ふかくは追求しませんでした。

ルイス酸としてのランタノイドトリフルオロ酢酸塩は性能としてはあまり良くありませんでしたが、C-H結合活性化の溶媒としては、トリフルオロ酢酸は効果的で、先輩〜後輩、と、大きな成果を出していました。


Tuesday, May 22, 2012

【本日の化学略語】PET

化学略語の検索サイト→Nanoniele

PET: poly(ethylene terephthalate)
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=PET)

ペットボトルでおなじみのPETです。

学生実験で合成しました。

テレフタル酸とエチレングリコールを所定の温度・時間で加熱してPETを合成し、水酸化ナトリウムでけん化して重合度を求める、という実験内容だったと思います。

PETはビーカーで合成たのだと思います。で、不要なPETを、段ボールの上に延ばしていました。たぶん廃棄するためだったのだと思いますが。

その、のばしてあまり時間の経っていない段ボール&PETを、どうゆうわけか学生実験室の床に置いていて、どういうわけか私がそれを踏んでしまい、靴にPETがべっとりとくっついてしまうことになったのでした。学生実験の中でPETの記憶が濃いのは、そういう苦いことがあったからなのでしょう。

ちなみに、学生実験をした頃は、500mLのペットボトル瓶はまだなかったと思います(2〜3Lのものはありました)。自販機やコンビニには缶かビンか紙パックしか置いてなかったような。


Monday, May 21, 2012

【本日の化学略語】Glu

化学略語の検索サイト→Nanoniele

Glu: glucose
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=Glu)



サマリウムアルコキシド触媒による向山型アルドール反応で、不斉配位子として使用しました。
学部4年生、卒業研究で、不正配位子のスクリーニングしていたのですが、エナンチオ選択性が20%台で頭打ちとなり、ちょっと困っていました。当時光学活性アルコールは高価で、安価なものがないかとカタログをパラパラめくりながら(1000ページ近くあるカタログからピックアップしてノートにメモしてました)見つけたのが、グルコースでした。

で、使用する量は1gにも満たないのですが、市販されているのは、500gのポリ瓶のみ。仕方ないので500gものを購入、反応を試しましたが…生成物は得られず。グルコースでの検討はこの先行われず、500gの容器が長く試薬棚で眠ることとなりました。

「コーヒーに入れて飲んでやろう」と何度思ったことか…。

話はそれますが、グルコースで反応がうまくいかなかったので、その後、キムワイプで同じ不斉反応を検討しましたが、やはり生成物はほとんど得られませんでした。
ちなみに、キムワイプは予めエタノールで洗浄、乾燥したものを使いました。

Friday, May 18, 2012

【本日の化学略語】TEMPO

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TEMPO: 2,2,6,6-tetramethyl-1-piperidinyloxy
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TEMPO)




使った経験はありませんが、研究室内の他の人が使用しているのを見た事があります。

C-H結合活性化の研究だったと思いますが、反応がラジカル機構で進行するのかを調べるために、TEMPOを添加したのだと思います。反応はストップし、予想通りだったという結果だったかと。

このTEMPO、似た構造のものがいくつかあり、例えば、メトキシ置換体の4-methoxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl(MTEMPO)とか、TEMPOのメチレンがカルボニルになった2,2,6,6-tetramethyl-4-oxopiperidine-1-oxyl (TEMPON)とか。

TEMPO、MTEMPO、TENPON、どれも割となじみやすい発音だったりします。

Thursday, May 17, 2012

【本日の化学略語】CAS

化学略語の検索サイト→Nanoniele

CAS: Chemical Abstracts Services
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=CAS)

のちのSciFinderである。

インターネットがまだ普及していない頃、学科の事務室にあるPCからモデムを介して接続して利用していました。夜間割り引きなるものがあり、夜の7時頃だったでしょうか、モデムをガーガピーピ鳴らし、文字が現れるのを待ち、パスワードを打ち込み…という手順でした。GUIベースのSciFinderとそう変わらない手法で検索できていましたが、構造式からの化合物検索、反応検索等はできませんでした。回線スピードもあまり速くなく、料金は従量制ということもあり、キーワード等を予め決めておいてから「電話をかける」のが常でした。

その後、インターネットが普及し、CASもインターネット経由で接続できるようになりましたが、システムそのものはしばらくはそのままで、単にモデムが不要になったという状況が続いていました。その後、GUIベースのSciFinderとなったわけですが、今でもSciFinderを使う時には、CUI時代の手法で検索したりもします。

CASといえば、福岡に居た頃、中州の飲み屋でJなんとかの職員のおっちゃんとケンカしたことあります(ぉぃ
なんでケンカになったのかはよくわかりませんが、たぶん、CASが使いにくいとか、CASのことなら米国から扱い方を知ることができるのに、Jなんとかのおっちゃん何やっとるんじゃとか、(当時)未だにtelnet接続のCUIベースとか古いんじゃはよGUIアプリ作れとか、そういうのじゃないかなぁと思います。

…あ、あと、酔っぱらって記憶が定かではないのですが、Jなんとかのおっちゃんかだれかが、「大学の人間とかくだらんわ」とか、かなりの上から目線で接してきた、というのもケンカの原因のひとつかもしれません。

後日おっちゃん主催のCAS講習会に行きました。操作法ドヤ顔で説明されましたが、もう知ってた。


Wednesday, May 16, 2012

【本日の化学略語】pTol

pTol: p-tolyl
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=pTol)



(画像はpTolSO3H)

p-tolyl基を持つ化合物は多種類扱ってきました。最初に使ったのはトルエン。その次がPTSでしょうか。

反応基質として初めて使用したのが、4,4'-ジメチルベンゾフェノン。硫化リンでチオケトンにし、希土類金属と反応させました。その次が、4-メチルアニリンで、これはベンズアルデヒドと反応させてアルジミンにしました。4-メチルベンズアルデヒドは、アルジミンにもしましたが、酸化剤(脱ヒドリド剤)としても使いました。

p-Tol基のメリットは、反応混合物を1H NMRで分析する容易さにあります。メチル基のシングレットや芳香環上の水素由来のシグナル等、フェニル基のものよりもよりシンプルでわかりやすい(トルエンや酢酸エチル等が混入してるとややこしくなりますが)。

Tuesday, May 15, 2012

【本日の化学略語】BQ

化学略語の検索サイト→Nanoniele

BQ: 1,4-benzoquinone
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=BQ)



ランタノイド金属錯体を酸化するために使用しました。

ランタノイド金属とアルジミンを反応させると金属錯体が生成するので、これを酸化するとどうなるのかを調べていました。反応溶媒がTHFで、BQはTHFに溶けてくれず、仕方なくBQ粉末をフラスコに直接入れていました。フラスコ内の反応溶液と混ざれば、BQ粉末は少しずつ金属錯体と反応してくれましたので、手法としてはこれで良かったのではと思っています。

反応後、いろいろ調べると、ジイミンが生成したことがわかりました。BQではなく水と反応させた時にはジアミンが生成したので、ジアミンがBQと直接反応したのかもと、念のためチェックすると、無反応。酸素と反応させた時にもジイミンが生成したので、錯体の酸化が起こったのだという結論になりました。

現象としては理解できましたが、収率が低いので、いろんな酸化剤を試しました。なかなか収率は上がらなかったのですが、アルデヒドを試すと、なぜか収率が向上。

「なんかちがう」

と思いつつも、結果的にはこれでいいやと実験を続けました。
この仕事は博士課程の留学生(当時)さんに引き継いでもらいました。その方は今中国の大学の教授とか。大学の講師職(当時)で、私費での留学で、バイトしながら研究をされており、努力家でした。


Monday, May 14, 2012

【本日の化学略語】XyNC

化学略語の検索サイト→Nanoniele

XyNC: 2,6-Xylyl isocyanide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=XyNC)



大学院の修士課程のとき、後輩が合成し、反応に使用していました。
対応するホルムアミドとオキシ塩化リンから合成していたと記憶しています。一酸化炭素の等電子体として、ランタノイド錯体との反応を調べていました。

この化合物を取り扱った感想は「とにかく臭い」。当時は「えげつないにおい」と言っていた気がします。固体ではありましたが、それでも鼻にくる。他のイソシアニドはもっとひどかった。イソシアニドはこうも臭いのかと思い知らされました。

で、肝心の反応はというと、何かしらの化合物が生成。精製し、IRスペクトルを測定すると、イミンらしい吸収があり、NMRR測定を行うとアルジミンと思われるシグナルが。元素分析もOK。当時の助教授の先生とディスカッションし、錯体中の有機基−金属結合への挿入、プロトン化が起こったという結論に。

その後、錯体中のへテロ原子が変わると違う反応が起こることもわかりました。臭い臭いとは言いましたが、相応の実りがあったと思います。

そういえば、一仕事終わっても合成したイソシアニドはまだ残っていたはずですが、あれ、どうなったのでしょうか…。他の人に臭い思いをさせてしまったかもしれません。申し訳ない。



Friday, May 11, 2012

【本日の化学略語】MM

化学略語の検索サイト→Nanoniele

MM: molecular mechanics
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=MM)

M1の時、新しく着任した助手さんが、Chem3Dで扱っているのを見て、MMの存在を知りました。

分子の立体構造を知るためには、研究室では、分子模型でモデルを組み立てていました。長い間使われていたためか、パーツがかなりなくなっていて、単結合のスティックが少なく、モデルを組み立てられないということがよくありました。買いたいと思い、カタログで価格を調べると…高い。

Chem3Dでモデルをラフに描き、構造最適化し、マウスでぐろぐりやると、モデルの立体構造がどのようになっているか、簡単にわかるのに驚きました。当時(Windows 95もない時でした)のパソコンのスペックでも十分スムーズに動いていました。まあ、構造の最適化にはかなりの時間がかかりましたが。

その後、MOPACを知り、GaussianやらGAMESSやら知るわけですが、これらは「そういうことができる」ことを知った後に触れたわけで、何の予備知識もなかったChem3Dとの出逢いは、本当に衝撃でした。

Thursday, May 10, 2012

【本日の化学略語】DME

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DME: dimethoxyethane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DME)



学部の4年生の卒業研究で使ったのが初めてでした。

サマリウムアルコキシド触媒による向山型アルドール反応で、反応溶媒と生成物の収率・エナンチオ選択性の関係を調べていました。DMEは乾燥、脱酸素したものを使う必要がありましたが、ストックはありませんでしたので、何かしらの乾燥剤で乾燥したものを蒸留したはずなのですが、もうすっかり忘れてしまいました。

んで、蒸留したDMEを使用したわけですが、生成物の収率は低く、エナンチオ選択性もほとんど出ませんでした。THFでもダメでしたから、エーテル系溶媒は反応に適さない、ということが言えるので、どうしようもない結果というわけではないのが救いでしたが、当時の実験の技量で苦労して蒸留し、結果がこれだと、さすがに疲れました。でも、それが研究なんだということがよくわかりましたし、あまり引きずることなく次の実験を始めてたと記憶しています。

修士、博士課程でDMEを使用することはほとんどありませんでしたが、DMEと似たtetraglymeは、ヘキサンをナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥する時の添加剤として、よく使っていました。



Wednesday, May 9, 2012

【本日の化学略語】ALD

化学略語の検索サイト→Nanoniele

Ald: Aldrich
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=Ald)


Sigma-Aldrich社のAldrichのことです。この名前を初めて聞いたのは、学部の4年、研究室に配属された直後でした。

当時、研究室で購入していた試薬は和光純薬、東京化成、関東化学、Nacalaiのものがメインでした。Aldrichのものは、和光純薬のカタログに、Aldと記載されている試薬でも、国内メーカーのものがない時のみ、だったように思います。

私が研究室に配属された当時から、Aldrich社の品揃えは豊富でした。カタログを見ては、「あるどにはあるど〜さぶっ」とか言ってました。

当時は換算レートが1ドル=250円くらいでしたので、Aldrich社のものは高価であり、また、カタログにはあっても輸入手配扱いのものも多くありましたので、どうしてもという時以外は、「高いから作れ!(先生)/どうせ先生に言っても作れと言われるから作る!(学生)」となるのが常でした。

そんな高嶺の花のAldrich試薬ですが、買わないくせにカタログは大人気でした。CASの番号から、比重、屈折率、融点、沸点等、他のカタログよりより多くの情報が入っていましたので、諸物性を手っ取り早く調べるには、Aldrichカタログは好都合な一冊でした。一人あたり一冊に近いほど、Aldrichのカタログが研究室内にあった時も。

ただ、化合物名は、IUPAC名と異なる表記をしていたものもあり、ゼミなどで、「お前その化合物名ちごうとるど、あるどのカタログ見たじゃろ〜」となることも度々ありました。

先日、学会のAldrich社のブースでカタログをいただこうとしましたが、品切れで夏まで待てと言われました。オンラインカタログが充実し、あまり需要がないのでしょう。

Tuesday, May 8, 2012

【本日の化学略語】DBA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DBA: dibenzylideneacetone
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DBA)



この化合物、私が使用したことは一度もありません(触媒の配位子に含まれているものもです)。

修士課程の1年の秋、新助手さんが研究室に着任しました。着任した翌日でしょうか、突然どこからか3Lの丸底フラスコを持ってきて、おもむろにベンズアルデヒドとアセトン、水酸化ナトリウムを混ぜ、メカニカルスターラーで攪拌し始めたのです。

これには度肝を抜かれました。当時、学生が原料合成で使っていたフラスコは大きいものでも500mLクラスでしたので。

3Lのフラスコの中身は、これまたどこかから持ってきたブフナー漏斗であっという間にろ過され、巨大三角フラスコの中で再結晶され、どこからか持ってきた巨大デシケータの中で乾燥され、結晶は半日足らずで500mLサイズのプラスチックボトルに納められました。

実験室のメンバー一同「なんじゃこのひと!」

以来、DBAという文字を目にする度に、巨大なフラスコを思い出すのです。


Friday, May 4, 2012

【本日の化学略語】MS

化学略語の検索サイト→Nanoniele

MS: mass spectrometry
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=MS)

装置を初めて使用したのはM1の時でした。それまでは、先輩に取ってもらっていました。

当時のMS装置は確かShimadzuのQP-1000だったと思います。DIとGCの両方できましたが、DIはイオン源が汚れやすいため、怖くて使えませんでした。もちろん今では使えますが。

このQP-1000、記憶装置はフロッピーディスク、しかも8インチです。PCを触っていたので5インチのフロッピーディスクは見慣れていましたが、8インチはでかい。文字が示す通り、本当にペラッペラでしたし、一部磁性体が見えるという、本当に取り扱いに気を使うものでした。

とはいえ、化学系ではよくあることでしたが、ある日、サンプリング用のマイクロシリンジを洗うアセトンをフロッピーディスクの上にこぼし、ディスクを台無しにしてしまう事故も、研究室ではありました。

んで、QP-1000でのデータの取り込みですが、ハードディスクがありませんので、今のようにデータ取りをさせたまま放置することはできませんでしたから、単色緑色のモニタをじっと眺め、フラグメント等のシグナルが現れたところでスキャンボタンを押し、データをフロッピーディスクに保存していました。もちろん、測定中の解析なんてものはできません。

スキャンボタンを押すタイミングを逃せば、サンプリングからやり直しです。当然、GCのオーブンは冷まさなければいけません。スキャンボタンを押したとしても、フロッピーディスクがデータで一杯になれば、エラーが出てやり直しです。フロッピーディスクの容量はたったの128KB。前に測定した人のデータが残っていれば、「危険度」は上がります。

そんなわけでMS測定には、装置や記憶装置にもですが、他のメンバーにも気を使っていました。
とはいえ、当時の世界的な研究ペースは、今と比べてとてもゆっくりしていましたので、MS測定の空き時間に居眠りしたりぼーっとしたりと、自分の時間を簡単に作ることができたのは、良かったんではないかなと思ったりします。


Thursday, May 3, 2012

【本日の化学略語】Tr

化学略語の検索サイト→Nanoniele

Tr: trityl
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=Tr)



トリフェニルメチル基です。

化合物(触媒)として使用したのは、TrBF4が初めてで、エステルのシリルエノラート(KSA)の異性化の触媒として使いました。

当時、KSAの異性化を追いかけていて、別の触媒ではα-シリルエステルが選択的に生成していました。同じ反応が進むか、反応が全く振興しないかのどちらかだろうと思い、プロピオン酸エステルのシリルエノラートを基質とし、反応を仕込みました。プロピオン酸エステルのシリルエノラートには2種類の異性体、すなわち、E体Z体があり、反応に使用したのはE体でした。

所定の時間後、GCで反応の進み具合をチェックすると、ターゲットのα-シリルエステルは全く生成していませんでした。反応は進まないのかとGCチャートをよく見ると…原料のものとはリテンションタイムが少し違うのです。おかしいなと思い、ジクロロメタン溶液を重クロロホルムと混合してNMR測定すると…

生成していたのはZ体でした。

シリルエノラートのE体からZ体への異性化は、後で調べて既に報告例があることがわかりました。ただ、Z体の合成はE体と比べ、添加剤等が必要等煩雑でした。結果として、Z体のシリルエノラートの合成法として、E体の異性化を利用することに。

損して得した、です。


Wednesday, May 2, 2012

【本日の化学略語】TMSOTf

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TMSOTf: trimethylsilyl trifluormethanesulfonate
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TMSOTf)



M2の時、エステルのシリルエノラート(KSA)の異性化の触媒として使用したのが初めてでした。

当時は今よりも反応のスケールは大きく、基質は2 mmol使用していました。触媒は0.1〜1 mol%に設定していましたので、TMSOTfは0.002〜0.02 mmol使用することになるわけですが、悩みました。どうやって量り取るかを。

TMSOTf入りの試薬瓶を開けると、白煙がモウモウと出てきます。ここから0.002mmol量るとなると、マイクロシリンジを使わなければいけない。でも、TMSOTfを取ると、シリンジが詰まってしまう…。

というわけで、多めに取って、反応溶媒と同じ溶媒で希釈して、一部を溶液として取り出して使用することにしました。

でも、白煙モウモウの問題が残っています。グローブボックスなるものはありません(あってもTMSOTfを入れたくない。)。んで、1Lくらいの市販のビニール袋の角を切り、ビニール袋に試薬瓶を入れ、ビニール袋の広口にチューブを付けて輪ゴムを巻き、アルゴンラインにつなぐことにしました。アルゴンを流してビニール袋の中の空気を追い出し、ビニール越しに瓶を開け、切った角から注射針をつっこみ、なんとかTMSOTfを取り出すことができました。

丁寧に取り出したからかどうかはわかりませんが、TMSOTf触媒は対照実験で使ったのに、他の触媒よりも高い活性を示したのでした。

Tuesday, May 1, 2012

【本日の化学略語】PTS

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TsOH: p-toluenesulfonic acid
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=PTS)



M2の時、ベンゾフェノンとアニリンからケチミンの合成を行う時に、触媒として使いました。それが最初だと思います。その後も酸触媒として、PTSには幾度もお世話になっています。

ベンズアルデヒドとアニリンの反応は触媒がなくてもスムーズに進むのですが、ベンズアルデヒドをベンゾフェノンに代えただけで反応が全く進まなくなる、ということで、PTSを加え、ベンゼン溶媒中で加熱すると、反応が進み、溶液の色が黄色くなってきました。加熱しており、沸騰しているわけですが、このベンゼン、沸騰がおとなしくない奴でして、たまに突沸をしたりします。この合成反応を進めていた時も、フラスコの中で、ボコッ、ボコッという不穏な音がしてました。

んで、「しょうがないなぁ」と、沸石を入れた瞬間、激しい突沸が起こり、フラスコの中身が飛び出しました。大量というわけではないのですが、マントルヒーターを(電源オフ)生成物の黄色にめ、原料のベンゾフェノンのにおいを放つ、使えないシロモノにしてしまいました。

吹き出しはしましたが、二次晶まで取って、生成物の収率は93%はあったと記憶しています。


Monday, April 30, 2012

【本日の化学略語】EtOH

化学略語の検索サイト→Nanoniele

EtOH: ethanol
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=EtOH)




大量に使用したのは、修士課程に進んでからでした。

ホスホン酸エステル等の高極性の化合物を取り扱うようになり、MPLCで精製しようとすると、酢酸エチルを流しでもシリカゲルカラムに引っかかったまま出てこなくなったのです。

いい展開溶媒がないかと溶剤貯蔵庫へ足を運ぶと、大量のエタノール缶が。これだ!とエタノールを使うことになったのです。これがブーム(?)となり、私を含め学生達は湯水のようにエタノールを廃液にしていきました。廃液タンクが足りなくなり、エタノール廃液をエタノールの入っていた一斗缶にストックしていたほどです。

ストックがなくなるにつれ、「そろそろ買わないとな〜」とかいう話になった時に、私たち学生は気づかされました。

ストックしていたエタノールが免税品であること、そして、免税品は年に一度しか納品されないことを。


その後の記憶はありませんが、EtOH=江藤という刷り込みはなぜか残っています。

Saturday, April 28, 2012

【Nanoniele】今週の強化

化学略語の検索サイト→Nanoniele

今週はNanonieleの検索の柔軟性の強化を行ってきました。

Nanonieleでは、システムの改善のために、ヒットしなかった検索キーワードをサーバ上に保存しています。

ヒットしなかったキーワードをチェックすると、Nanonieleに登録されていないものよりも、キーワードの違いにより惜しくもヒットしなかったものが多いことがわかりました。
よくあるのが

・ピリオドがある(又はない)
・"and"がある(又はない)
・"the"がある(又はない)
・カンマがある(又はない)
・スペースが多い(又は少ない)

でしたので、これらの、ちょっとしたキーワードの違いを無視するよう、スクリプトに手を加えました。これで、ヒットする確率がかなり上がるのではないかと思われます。
また、typoが原因でヒットに至らなかったキーワードについても、正しいと思われるキーワードでヒットするようにもしました(これからデータを集めます)。

将来的には、データベースのインデック化もしたいと思っています。

今後ともNanonieleをよろしくお願いします

C-H Activation of Isobutylene Using Frustrated Lewis Pairs: Aluminum and Boron σ-Allyl Complexes (Ménard, G.; Stephan, D. W. Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 4409-4412.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201200328/abstract

Selective iron-catalyzed transfer hydrogenation of terminal alkynes (Wienhöfer, G.; Westerhaus, F. A.; Jagadeesh, R. V.; Junge, K.; Junge, L.; Beller, M. Chem. Commun. 2012, 48, 4827-4829.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc31091k

A vapoluminescent Eu-based metallo-supramolecular polymer (Sato, T.; Higuchi, M. Chem. Commun. 2012, 48, 4947-4949.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc30972f

理研、腸内環境のバランス保つ受容体を発見 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120427eaal.html

東大、炭酸カリウムの劣化機構解明-白金触媒の半減に道 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420120427eaaq.html

Tunnelling control of chemical reactions – the organic chemist's perspective (Ley, D.; Gerbig, D.; Schreiner, P. R. Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 3781-3790.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/ob/c2ob07170c

東京都市大、ゲルマニウム量子ドット使用した発光デバイス開発 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120426eaaa.html

経産省委、再生エネ買い取り価格案を提示-太陽光42円、風力23.1円 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520120426abbk.html

JST事業でベンチャー設立 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/25-6372.html

Synthesis of Titanium CCC-NHC Pincer Complexes and Catalytic Hydroamination of Unactivated Alkenes (Gelgert, T. R.; Hollis, T. K.; Valente, E. V. Organometallics 2012, 31, 3002-3009.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/om2010436

Friday, April 27, 2012

【本日の化学略語】LAH

化学略語の検索サイト→Nanoniele

LAH: lithium aluminium hydride
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=LAH)

学部の卒業研究を始めて3ヶ月後くらいでしょうか。トルエンを乾燥するために使用したのが初めてでした。

今でこそ乾燥トルエンは市販されていますが、当時はLAHで乾燥し、蒸留したものをストックしていました。LAHを使った実験での爆発事故等があまり報告されていない頃でしたから、ヘキサンや他の炭化水素系溶媒の乾燥にLAHを使うことはわりとポピュラーでした。

で、トルエンを乾燥、蒸留後、蒸留釜に残っているLAHをつぶそうと、EtOHを加えたところ、加えた量が多かったのでしょう、釜から吹き出してきました。そばで見ていた先輩があわてて洗面器で受け止めてことなきを得ましたが、かなり怖い思いをした記憶があります。この経験は、LAHやナトリウム等の処理に対して、私をかなり慎重にさせました。

ところで、トルエンやヘキサンの乾燥ですが、上述の通り、私の所属していた研究室ではLAHを使っていたわけですが、隣の研究室ではナトリウムワイヤー、階下の研究室ではナトリウム−カリウムを使用していました。どちらの研究室も、水に弱い有機金属を扱っていましたので、要求する乾燥の度合いにあわせて使い分けていたようですが、火災報知器と消火器と、乾燥剤のイメージがリンクしているのは、リンクするような経験があったからなのでしょう。

Thursday, April 26, 2012

【本日の化学略語】TPP

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TPP: triphenylphosphine
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TPP)




大学4年生の時、こっそりやった実験で初めて使いました。

当時私は3塩化イッテルビウムというルイス酸を扱っていたのですが、単独では有機系溶媒に対する溶解性が低く、配位子を添加すれば溶解性が上がり、ルイス酸としての3塩化イッテルビウムの機能を発揮してくれるのではと思ったのです。

結果は…TPPではダメ、でした。

3塩化イッテルビウムが溶解するよう、様々な配位子を試しましたが、結局見つからないままでした。後に様々な配位子のイッテルビウム錯体が報告されましたが、リン系の配位子は難しいようです。

パラジウムとイッテルビウムの違いを強く印象づけられたのは、いい経験だったと思います。

トリフェニルホスフィンはその後の研究でも時々取り扱いました。遷移金属触媒の配位子として使用したこともありますし、有機合成の出発物質として使用したこともあります。市販品は以前はフレーク上だったのですが、最近は水酸化ナトリウム等と同じ形状のペレットになり、驚いたのを憶えています。

そのことをすっかり忘れた私は、学生さんに「量りにくい?割るといいよ」とアドバイスしてしまい、学生さんを苦しめたのでした。

Wednesday, April 25, 2012

【本日の化学略語】DMI

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DMI: 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DMI)




希土類金属で有機化合物の還元を行う際に、添加剤として使用したのが初めてでした。長い間使っていましたが、この還元反応に関連する研究でだけ、使ってました。

この化合物を扱うまでは、HMPAを使用していました。HMPAは発がん性の疑いがあり、反応を行いながらDMIの代替品としての可能性を調べてました。

還元「反応」に限れば、HMPAをDMIに替えて問題はありませんでした、反応に関しては、です。反応後ですが、例えば、THF溶媒中のHMPAは、エーテル抽出と飽和食塩水洗浄でほぼ完全に除去できますが、DMIではかなり残ります。シリカゲルカラムでも、極性の高い化合物とDMIの分離には苦労するかもしれません。また、研究上必要な、反応中間体や錯体の単離(結晶化)も、HMPAでできたことがDMIではできませんでした。

DMIの他に、TMUDMPU等いろいろ試しましたが、HMPAに勝る者なしで現在に至っています。

Tuesday, April 24, 2012

【本日の化学略語】DIBAL-H

化学略語の検索サイト→Nanoniele

HIBAL-H: diisobutylaluminum hydride
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DIBAL-H)




TBDMS保護された乳酸メチルを還元してアルデヒドにするために使用したのが最初でした。

DIBAL-Hを使う人が研究室におらず、また、下手な取り扱いをすると発火するという話を聞いていたので、ヒヤヒヤしながらキャヌラーで滴下漏斗に移したのを覚えています。確かAldrichのボトルから移したと思うのですが、どこまでフタを取ればいいのか、悩みました。まずスクリューキャップを取りました。現れたのは金属のキャップ、真ん中は穴があいていて、紙のようなものが見えました。紙のようなところにキャヌラーを刺せばよかったのですが、初めて使った時にはそれがわからなかったのです。「キャップをはずせばきっとセプタムのようなものがあるんだろう」と、栓抜きでキャップを外すと…現れたのは液面でした。

そう、溶液を外気と接触させたのです。「発火するかも」と、緊張はmaxに達しました。大急ぎで金属キャップを元通りにもどしました。結局何事も起こらず、キャヌラーによる溶液の移動も無事に終わりました。

収率は、文献記載の数値と同じくらいだったと思います。

Monday, April 23, 2012

【本日の化学略語】DMAP

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DMAP: N,N-dimethyl-4-aminopyridine
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DMAP)




乳酸メチルのヒドロキシ基をTBDMS保護する時に使用したのが初めてでした。

TEAだけでは反応の進行が遅いので、触媒量のDMAPを加えて反応を加速させるという、よくある手法です。「DMAPが安ければTEAの代わりに等モル使うのに」としばしば思ってました。

DMAP、反応後、抽出等でしっかり除去できれば問題ないのですが、反応後の後処理で混合物中に残っていると、精鋭物の単離に失敗したり、苦労したりしてました。蒸留中に謎の結晶が析出したり、単離できたと思われる生成物のNMRスペクトルに謎のシングレットがあったり、元素分析を行うと、ありもしない窒素が数%出てきたり、と。

まあ、だいたいは、私のいい加減さが原因です。

Friday, April 20, 2012

【本日の化学略語】TEA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TEA: triethylamine
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TEA)



さんくろとアルコールからエステルを合成したり、Heck反応やSuzuki-Miyaura反応を行う時の、塩基として広く使われる化合物です。

乳酸メチルのヒドロキシ基をTBDMS保護する時に使用したのが初めてでした。感想は「アンモニア臭い!」と、ふつうでした。

TEAにはエステル、アミド、ホスホン酸ジアミド、リン酸エステルの合成等、ずっとお世話になっています。反応後、TEAはハロゲン化水素塩となり、生成物を単離する際にはこれを除去しなくてはならないわけです。除去の方法としては抽出とろ過が主に考えられますが、私はほとんど「ろ過」を選択していました。廃液の量が少なくて済むので。反応溶媒とろ過後の洗浄溶媒も同じにしてました。これも、溶媒を回収して再利用するためです。アンモニウム塩が融けるような溶媒は反応には使わないようにしていました。

溶媒の回収と再利用ですが、当初は研究費の節約のためにやってました。でも、最近は廃棄物の削減のために溶媒の回収と再利用をしています。実験の容量と廃棄物の量は反比例するというのが私の考えです。

【Nanoniele】Googleのbotが無限ループに

Nanonieleの検索結果表示のページには、WebページにNanonieleの検索窓を埋め込むためのHTMLソースコードが貼られています。

このソースコードは、Spam対策として、表示される度に内容が変わっています。tがとびとびに並んでいるあたりがそれです。

Googleのbotさんがこの検索窓のサンプルからWebを辿ってきますが、表示される度に変わるので、同じ内容であると判断せず、また検索窓のサンプルから先に進もうと…

結果としてGoogleのbotさんは同じところをぐるぐると廻ってしまっているのです。

100会も廻ればトップ画面に飛ばされますので、管理人はあまり気にしてません。

能天気な管理人ですが、今後ともNanonieleをよろしくお願いします。

太陽活動に異変、地球寒冷期の前兆か? (SciencePortal)
http://scienceportal.jp/news/daily/1204/1204201.html

帝人ファイバー 今年度に400ナノ品量産 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/20-6311.html

Gallium(III) Triflate: An Efficient and a Sustainable Lewis Acid Catalyst for Organic Synthetic Transformations (Prakash, G. K. S.; Olah, G. A. Acc. Chem. Res. 2012, 45, 565-577.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ar2002039

東北大、ナノワイヤを非晶質合金から大量合成 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120420eaaf.html

富士通、人為ミスの要因を自動抽出するリスク分析ソフト開発 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220120420bfac.html

vol.451:ハイブリッド教員のふぁかるてぃ雑記帳 第17回 「餅は餅屋」の巻 (eラーニングかもしれないBlog)
http://blog.goo.ne.jp/sanno_el/e/ba19e926eb08477afd652c87ad2bef41

Thursday, April 19, 2012

【本日の化学略語】TfOH

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TfOH: trifluoromethanesulfonic acid

(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TfOH)




先輩が触媒合成で使用しているのを見たのが出逢いでした。

自分の実験で使ったのは修士課程の1年生の時。ランタノイド酸化物とTfOHからランタノイドトリフルオロメタンスルホン酸塩を作り、これを触媒とする新反応の開発を行っていました。
TfOHはアンプルに入っていましたので、開けなければいけないのですが、バーナーのある実験室は6階、私が普段実験を行っている部屋は4階にありましたので、開けて白煙がもうもうと上がるアンプル持って廊下を移動するわけにはいかず、結局、傷を入れたアンプルの先端にクランプをぶつけて折ってました。

手首のスナップを効かせるのがミソです。もちろん、ドラフトでやってましたが、真似しないように。

Wednesday, April 18, 2012

【本日の化学略語】DMSO

化学略語の検索サイト→Nanoniele

DMSO: dimethyl sulfoxide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DMSO)



向山アルドール反応で得られた生成物を加水分解して得られたカルボン酸の生成を確認するために使用したのが初めてでした。

使用量は約0.5 mL。DMSOといっても、重DMSOでした。NMR測定が目的でしたので。カルボン酸は、絶対配置を決定するために比旋光度を測定するためにも使用しました。装置は当時の助手さんの部屋にあり、装置もセルも、溶媒も高価だし、背後に助手さんはいるわで、「どないや〜?」ビクビクしながら測定をしていた記憶があります。

さて、DMSOですが、学部の4年生の時に使用したわけですが、次に使ったのは、その15年後。やはり使用目的はNMR。DMFや他の非プロトン性極性溶媒は頻繁に使っていたのに、DMSOだけはなぜか縁がありませんでした。ラボでは頻繁に使われていたのですが…。

【Nanoniele】検索能力向上中

Nanonieleの検索ログのひとつに、リクエストログというものがあります。

リクエストログでは、検索したもののヒットしなかったキーワードを蓄積しています。昨日ちぇっくしてわかったのですが、スペース、ピリオド、カンマのあるなしでヒットしなかったという例がかなりありました。

そこで、キーワードからスペース、ピリオド、カンマを除いてデータベースと照合するように、エンジンを改良しました。

Angew. Chem. Int. Ed.でも、Angew Chem Int Edでも、AngewChemIntEdでも、検索結果は同じです。

また、リクエストログの「惜しい」キーワードから、対応するヒット可能なキーワードをピックアップする機能も付けました。

これで幾分かは検索の効率が上がるのではないかと思われます。

今後ともNanonieleをよろしくお願いします。

Thermal and Photochemical Crosslinking of Hyperbranched Polyphenylene With Organic Azides (Pötzsch, R.; Volt, B, Macromol. Rapid. Commun. 2012, 33, 635-639.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/marc.201100795/abstract

ルチ将軍登場 (教授ゴルギアス)
http://gorgias.blog.shinobi.jp/Entry/1094/

東京理科大、毛包移植し発毛の機能再生 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020120418eaaf.html

経産省、次世代環境地域への復興プラン策定補助事業で8グループ選定 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520120418abbl.html

Tuesday, April 17, 2012

【本日の化学略語】TBDMSCl

化学略語の検索サイト→Nanoniele

TBDMSCl: tert-butyldimethylchlorosilane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TBDMSCl)



初めて使用したのは、酢酸エチルのtert-ブチルジメチルシリルエノラートを合成したときでした。

取り扱いにほろ苦い思い出のある液体のTMSClとは異なり、TBDMSClは固体で空気中でも安定。合成したシリルエノラートも、抽出後の希塩酸での洗浄にも十分に耐えられるものでした。このtert-ブチルジメチルシリルエノラート、酢酸エチルのトリメチルシシリルエノラートの合成に苦労している合間に合成したもので、研究で体験した、初めての「スタートが遅くてゴールが早かった」例でした。

安定なtert-ブチルジメチルシリルエノラートですが、サマリウムアルコキシド触媒による向山型アルドール反応を試したところ、望んでいた生成物は全く得られませんでした。とりあえず何らかの化合物が生成していることが、GCで確認できましたので、MPLCでせっせこと確認、NMRを測定するとシグナル多数…GCでは不純物らしいものは確認できないのですが…悩みました。

当時の助手さんがスペクトルを見て、「おお、アルコールのTBDMSエーテルじゃ」と一言。スペクトルは複雑だし、レポート書くためにはちゃんと構造解析しなければならないしで、トホホな消火試合をこなしたのでした。

でも、基質(アルデヒド)から何が生成したのかは、追いかけてなかったのです。

【Nanoniele】Analysesシリーズを忘れてました



略語一覧サイトNanonieleのシリーズに、分析シリーズ(Analyses)があります。これ、Nanonieleの数あるシリーズの中でも最も古いものなのですが、トップページからリンクを貼るのを忘れていたのです。

うっかりしてました。

こんなうっかりサイトですが、今後とも略語一覧サイトNanonieleをよろしくお願い致します。

旭硝子 緑内障薬向け原体、能力倍増 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/index.html

住友化学 千葉工場でエチレン装置の稼働を引き上げ (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/17-6260.html

Reactions of Neutral Gas-Phase Yttrium Atoms with Two Cyclohexadiene Isomers (Schroden, J. J.; Davis, H. F. J. Phys. Chem. A 2012, 116, 3508-3513.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp211752a

三菱化学、ブテンからブタジエン再抽出する技術の実用化にめど (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820120417cbad.html

千葉大、手のひらサイズ顕微鏡を開発-試料を立体観察 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120417aaba.html

Giant metal–organic frameworks with bulky scaffolds: from microporous to mesoporous functional materials (Thanasekaran, P.; Luo, T.-T.; Wu, J.-Y.; Lu, K.-L. J. Mater. Chem. 2012, 41, 5437-5453.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/dt/c2dt12208a

Alkyne and Reversible Nitrile Activation: N,N′-Diamidocarbene-Facilitated Synthesis of Cyclopropenes, Cyclopropenones, and Azirines (Moerdyk, J. P.; Bielawski, C. W. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 6116-6119.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja3014105

Dispersion Energy Enforced Dimerization of a Cyclic Disilylated Plumbylene (Arp, H.; Baumgartner, J.; Marschner, C. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 6409-6415.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja300654t

Palladium-Catalyzed Cycloaddition of Alkynyl Aryl Ethers with Internal Alkynes via Selective Ortho C–H Activation (Minami, Y.; Shiraishi, Y.; Yamada, K.; Hitama, T. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 6124-6127.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja301588z

東京化成工業 医薬・ライフ向け試薬拡充 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/16-6240.html

Monday, April 16, 2012

【本日の化学略語】LDA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

LDA: lithium diisopropylamide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=LDA)



酢酸エチルのシリルエノラートを合成する際に、リチウムエノラートを発生させるために初めて使用しました。

今でこそ市販品がありますが、当時はジイソプロピルアミンとn-BuLiから作っていました。しかも、市販のn-BuLiはヘキサン溶液でしたので、LDAを作った後、減圧下で溶媒を留去し、THFFを加えるというめんどくさい(後で不要とわかった)ことをしてました。やらなくても差し支えないことをあえてやっていた、という、まあ、初心者にはありがちなことです。

その一方で、実験では無知故の失敗をすることになるわけです。合成しようとしていたのは、酢酸エチルのトリメチルシリルエノラート。参考にしていた文献は、tert-ブチルジメチルシリルエノラートだったのです。この2つの化合物の合成、似て非なるものでして、tert-ブチルジチイルシリルエノラートの合成では、添加剤としてHMPAが必要なのですが、トリメチルシリルエノラートは不要で、しかも、HMPAを添加すると、構造異性体のトリメチルシリル酢酸エチルがかなりの量副生してしまいます。一方、tert-ブチルジメチルシリルエノラートは反応後抽出操作を行うのですが、トリメチルシリルエノラートは水に弱く、これを知らなかった私は抽出でトリメチルシリルエノラートを全て酢酸エチルに戻してしまったのです。酢酸エチルであれば、有機相を濃縮するとほぼ何も残らないのですが…そう、トリメチルシリル酢酸エチルが残っており、何も疑わない私は丁寧に蒸留まで行い、先輩にNMR測定させてしまい、収率が低い、NMRスペクトルがおかしい、と、先輩まで悩ませてしまったのです。

結局実験はやり直したわけですが、HMPAをてんかしなくても構造異性体は複製してしまい、その生成に2ヶ月近く要してしまうことになるわけです。

Sunday, April 15, 2012

【Nanoniele】crowl対策で見えてきたこと

略語一覧サイトNanoniele、ホスト毎にアクセス制限を変えようとログの解析を進めています。

検索サイトからのアクセスが多く、ちょっとシメとかんといかんなと思っていて、IPアドレスとドメインをまとめているところなのです。

頻繁にアクセスしてくるのがGoogleで、これはまあわかります。同一のIPアドレスかログに並ぶので、ああまたかとあまり気にはしてません。毎日のように、設定したアクセス許容数に達してしまい、バシバシはじかれてます。

その次に多いのがtwitter絡みのサイトから。tweetした直後に数件アクセスが来ますが、tweetしなければアクセスはありません。

その次がAmazon。こいつが一番ようわかりません。なにがしたいんじゃと。散発的にアクセスしてきます。同一IPアドレスでアクセスしてくることはあまりないようです。Amazon、かなりの数のIPアドレスをがめてます。

続くのがBaiduとMicrosoftで、割とお行儀はいいようです。後はNaverとライブドアのペア、といった感じで。


Googleよ、こんだけアクセスして来るんならこのサイトもっと優先して表示せい


Recognition of Aromatic Compounds by π Pocket within a Cage-Shaped Borate Catalyst (Nakajima, H.; Yasuda, M.; Takeda, R.; Baba, A. Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 3867-3870.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201200346/abstract

Interview with Yoshinori Yamamoto (Chem. Commun. 2012, 48, 4525-4526.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc90049a

Rearrangement from the heteroantiaromatic borole to the heteroaromatic azaborine motif (Biswas, S.; Maichie-Mössmer, C.; Bettinger, H. F. Chem. Commun. 2012, 48, 4564-4566.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc30914a

東大など、電場で制御可能なスピン渦を発見-低電力素子実現に道 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120413eaaj.html

2030年の温室ガス量試算、90年比5-39%減可能-環境省 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0520120413caai.html

東大など、強誘電性持つ円筒形状のカラムナー液晶を開発-軽量・安価な素子実現へ (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120413eaag.html

昭和電工 化学品事業で新規事業創出プロジェクト (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/12-6196.html

【本日の化学略語】TMSCl

TMSCl: chlorotrimethylsilane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TMSCl)



酢酸エチルのシリルエノラートを合成するために使用したのが出逢いでした。

100 mLのアンプル入りでしたので、ガラスの焼き玉でアンプルの先にヒビを入れなければ中身を出せなかったわけですが、アンプルが肉厚で、ヒビを入れるのに苦労したのを覚えています。ドラフトの外でこいつを扱うと、咳き込んでしまいます。きっついです。

んでもって、アンプルから取り出したTMSClは単蒸留し、窒素雰囲気中で保存しておき、必要な分をシリンジで取り出して使用したのです。

ちなみに、TMSClをヨウ化サマリウムのTHF溶液に入れてしばらく置いておいて、THFを重合させてしまったり、シリコングリースを塗った擦り合わせのガラス容器に保存してしまい、ガラス容器をアンプル化させたり、実験台の下の開きの中に置いていた瓶が割れて実験台の内部をベトベトにしたりと、いろいろほろ苦い思い出があるのがこの化合物です。

Saturday, April 14, 2012

【本日の化学略語】IPA

化学略語の検索サイト→Nanoniele

IPA: isopropyl alcohol
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=IPA)



いそぷろともあいぱともいいます。学生時代は「いそぷろ」と言っていました。「あいぱ」というのは教員になってから聞いた言葉です。

学部4年にHPLCの溶離液として使用したのが最初でした。修士課程に入りしばらくして、ガラス器具の洗浄液として水酸化カリウムと共に使うようにもなりました。

都市部の大学に通う学生さんは驚くかもしれませんが、学生時代を過ごした大学では、自動車で家から大学に通うのがデフォでした。んで、ガソリンスタンドに行くと「お客さん水抜き剤しばらく入れてないですけど、いれますか?」とか聞かれるわけです。その主成分がIPAだったりすると、その水抜き剤の高さに驚いちゃったりするわけです。でも、研究室にあるIPAを持ち出したりはしませんでしたが…。

余談ですが、学部生のとき、友人が「スーパーカブのう、サラダオイルをオイルにしても走るんど〜、白煙もうもうと吹くけどのう」とか「IPA使うたら自動車のワックスよう落ちるど〜」とか言ってました。結局試さんかったけど、試さん方がええと思います。責任持ちません。

Friday, April 13, 2012

【本日の化学略語】HPLC

化学略語の検索サイト→Nanoniele

HPLC: high-performance liquid chromatography
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=HPLC)

研究室配属後の最初の実験、サマリウム触媒による向山型アルドール反応を行い、生成物のジアステレオマーの分離を行った後、それぞれの光学純度(ee)を算出するために使用したのが初めてでした。

装置の名称はもう忘れましたが、Shimadzu製だったと記憶しています。

溶離液はn-ヘキサンといそぷろ、カラムはなんとかODだったと思います。両溶離液は、HPLC用のガロン瓶入りのもので、一斗缶入りのいわゆる特級ものよりも高価で、無駄にしないように大事に使っていました。とはいえ、光学純度を算出するためにはエナンチオマーを分離できる条件を探す必要があり、条件を変えるごとに測定まで時間をおかなければならず、結果として測定に一週間かかりました。まあ、条件さえ決まれば楽なものですが。

当時HPLCは人が滅多に来ない部屋にポツンと置いてあり、測定中は寂しかった

Thursday, April 12, 2012

【Nanoniele】当面トップページは日本語です。



略語一覧サイトNanonieleのトップページ、当面日本語にすることにしました。

英語バージョンでもいいのですが、国内からのアクセスが圧倒的に多いので…。

略語の意味を調べるケースと、どういう略語になっているかを調べるケースが同じくらいあるのに驚いています。見つからないというログを残すのは後者の方が多いです。検索エンジンとデータベースは元々前者向けに作ってましたから、後者が弱いのは致し方ありません。

見つからなかった略語は、調べて追加するようにしていますし、検索エンジンの強化も引き続き行っております。

今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

昭和電工 化学品事業で新規事業創出プロジェクト (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/12-6196.html

Chiral recognition of carbon nanoforms (Pérez, E. M.; Martin, N. Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 3577-3583.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/ob/c2ob07159b

Transition metal-catalysed intermolecular reaction of allenes with oxygen nucleophiles: a perspective (Muñoz, M. P.; Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 3584-3594.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/ob/c2ob07128b

Synthesis and Properties of Cycloparaphenylene-2,5-pyridylidene: A Nitrogen-Containing Carbon Nanoring (Matsui, L.; Segawa, Y.; Itami, K. Org. Lett. 2012, 14, 1888-1891.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ol3005112

(Thio)urea Organocatalyst Equilibrium Acidities in DMSO (Jakab, G.; Tancon, C.; Zhang, Z.; Lippert, K. M.; Schreiner, P. R. Org. Lett. 2012, 14, 1724-1727.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ol300307c

Palladium-Catalyzed One-Pot Diarylamine Formation from Nitroarenes and Cyclohexanones (Xie, Y.; Liu, S.; Wen, Y.; Deng, G.-J. Org. Lett. 2012, 14, 1692-1695.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ol3002442

日立、若手研究者を発掘-14大学からテーマ公募 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520120412aaax.html

九大、600度Cで作動する鉄空気電池 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1420120412eaab.html

名大、金属の触媒機能高める化合物を効率合成 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120412eaae.html

日立、レアアースを使わない産業用モーター開発-14年製品化、エネ効率93%達成 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120412bjay.html

【本日の化学略語】MPLC

化学略語の検索サイト→Nanoniele

MPLC: medium pressure liquid chromatography
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=MPLC)





液クロといえばこれでした。

研究室配属後の最初の実験、サマリウム触媒による向山型アルドール反応を行い、生成物の分離を行う際に使用したのが最初でした。固定相はシリカゲル、溶離液はヘキサン/酢酸エチル (6:1)だったと思います。生成物とその他の化合物を分離するのは簡単でしたが、生成物は2つのジアステレオマーであり(TLCではシングルスポット)、相互に分離するのは1度では無理でした。一度MPLCでジアステレオマー混合物として分離した後、より粒径の小さいシリカ固定相を充填した市販のカラムを2つ連結してMPLCでようやく分離できたのを思い出します。

ジアステレオマーの比は2:1程度でした。先輩は95:5のものを分離しており、私も早く上達したいと思いながら実験をしていました。

ちなみに、オープンカラムを初めて使ったのはMPLCを初めて使って2年後のことでした。

Wednesday, April 11, 2012

【Nanoniele】検索窓のソースコードを作成しました



略語一覧サイトNanonieleの検索窓のフォームを作成しました。

なのにーるCGIに置いてありますので、ご参考にしていただければ幸いに存じます。
なお、セキュリティ対策故、"inputsite=…."がない場合には、正常に機能しないようにしてあります。

今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

PS 登録略語数が16,100を超えました。

帝人ファイバー PTT繊維再拡大 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/11-6186.html

経産省の算定委、きょうから再生可能エネ買い取り価格・期間のとりまとめ議論 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520120411abbq.html

日銀決定会合、景気判断やや上向きに-物価上昇率1%強調 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1220120411daba.html

田中貴金属、殺菌・消臭オゾン水を高効率生成する白金系電極を開発 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820120411cbat.html

東北大、「ラシュバ効果」が半導体―金属の界面で起きていることを解明 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120411eaaa.html

Controlled Copolymerization of Acrylate and 6-Methyleneundecane by Organotellurium-Mediated Living Radical Polymerization (TERP) (Mihima, E.; Tamura, T.; Yamago, S. Macromolecules 2012, 45, 2989-2994.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ma300325r

Synthesis of Amphiphilic Rod–Coil P3HT-b-P4VP Carrying a Long Conjugated Block Using NMRP and Click Chemistry (Lohwasser, R. H.; Thelakkat, M. Macromolecules 2012, 45, 3070-3077.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ma2024733

【本日の化学略語】NMR

化学略語の検索サイト→Nanoniele

NMR: nuclear magnetic resonance
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=NMR)

初めてに測定した(正確には先輩に測定してもらった)NMRは、混合物でした。精製に失敗したというわけではなく、生成物のジアスレテオマー比を算出するための測定だったのです。
当時測定したNMRは、確か270 MHzのものだったと思います。最初に測定した各種は13C。これでジアステレオマー比を算出するのは強引なのですが、他の方法がなかったから仕方なく、であったと記憶しています。

自分でNMRを測定できるようになったとは修士課程に進学してからでした。当時270 MHzの超伝導磁石タイプのNMRは学科に1台しかなく、予約がいつも埋まっていました。NMR装置は他に90 MHzと60 MHzがありました。どちらも永久磁石で、60 MHzのものはFTタイプではなく、シングルスキャンで、モニタもないものでしたが、それなりに使えていました。

ちょっと古いスペクトル解析の教科書に昔っぽいNMRスペクトルが載っていたりしますが、あれくらいの磁力で、載っているものよりきれいなスペクトルを書かせるのは、割と簡単だったような気がします。

Tuesday, April 10, 2012

【Nanoniele】ラボスラングはひらがなで



略語一覧サイトNanonieleのシリーズのひとつである「ラボスラング」ですが、カタカナで検索すると絶対にヒットしません。

なぜかというと、

私がひらがなで登録している

からです。

カタカナとひらがなの相互変換ができるよう、スクリプトをいじりました。

んが、なぜか「ゼ」を「ぜ」に変換するとろでエラーが出てしまうのです。なんでじゃ。

まあ、ラボスラングは個人的にはあまりおすすめしないものなので、当面はカタカナでは検索できないようにしときます(というかしない

ヘタレなWeb管理者ですが、今後ともNanonieleをよろしくお願い致します

Exhaustive Syntheses of Naphthofluoresceins and Their Functions (Azuma, E.; Nakamura, N.; Kuramochi, K.; Sasamor, T.; Tokitoh, N.; Sagami, I.; Tsubaki, K. J. Org. Chem. 2012, 77, 3492-3500.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jo300177b

Ultraslow Dynamics at Crystallization of a Room-Temperature Ionic Liquid, 1-Butyl-3-methylimidazolium Bromide (Imanari, M.; Fujii, K.; Endo, T.; Seki, H.; Tozaki, K.-i.; Nishikawa, K. J. Phys. Chem. B 2012, 116, 3991-3997.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp300722j

香川大、電子移動度1000倍の液晶性有機半導体を開発 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1420120410eaac.html

ティオテクノ、光触媒壁紙を生産―可視光で有害物質分解 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620120410hhad.html

太陽電池パネル、流行はつや消しの黒-高効率+“見た目”重視 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120410bjai.html

【本日の化学略語】GC

化学略語の検索サイト→Nanoniele

GC: gas chromatography
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=GC)





(画像はShimadzu GC-14B)


ガスクロを初めて見たのは学生実験で、初めて使用したのは学部4年の研究配属後、初めて行った実験ででした。
サマリウムアルコキシ度触媒による向山型アルドール反応を行い、生成物の収率を算出するために、抽出、乾燥、えばぽした後にないひょうを加え、マイクロシリンジでサンプリングしたのを憶えています。装置はGC-14Aで、カラムはガラスカラムで、充填材はOV-17 (5%)だったと思います。

研究室では、反応に使用する窒素は「純窒素」、GCに使用する窒素は「並窒素」と呼んでいました。反応用の窒素は、酸素を厳密に除去するために、オキシトラップに通していました。私が研究室に配属されてしばらくした後、オキシトラップは定期的にメンテナンスする必要があって面倒だという話になり、「純窒素」はアルゴンに置き換わり、オキシトラップは使用しなくなりました。

Monday, April 9, 2012

アクセス制限を緩めました。

略語一覧サイトNanonieleのアクセスが増えてきましたので、アクセス制限を緩和しました。

これまでは、同一IPアドレスあたりの1日のアクセス数を20にしていましたが、50に増やしました。これで、通常のアクセスには差し支えがなくなると思われます。

プロキシ経由でのアクセスについては、さらに緩和する予定です。

なお。Google等の検索サイトのbotについては、16に制限しています。
多いものでは毎日600アクセスくらいきてますので…

今度ともNanonieleをよろしくお願いいたします。

奈良先端科学技術大学院大学が全講義を高精細映像で提供 (SciencePortal)
http://scienceportal.jp/news/daily/1204/1204092.html

Palladium(II) thiocarboxamide complexes: synthesis, characterisation and application to catalytic Suzuki coupling reactions (Sindhuja, E.; Ramesh, R.; Liu, Y. Dalton Trans 2012, 41, 5351-5361.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/dt/c2dt12243j

Reductive Elimination from Arylpalladium Cyanide Complexes (Klinkenberg, J. L.; Hartwig, J. F. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 5758-5761.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja300827t

【本日の化学略語】DCM

化学略語の検索サイト→Nanoniele
DCM: dichloromethane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DCM)




学部生の4年、研究室に配属されて初めて行った実験で使用したのが最初でした。

ヨウ化サマリウムと水素化ナトリウム、光学活性アルコールからサマリウムアルコキシ度触媒をTHF中で作り、向山型アルドール反応を行う際、THFを除去した後に反応溶媒としてジクロロメタンをシリンジで加えたのを憶えています。還元力のあるサマリウムアルコキシドとジクロロメタンの組み合わせで大丈夫なのかとしばらくして思いましたが、問題なかったようです。

このジクロロメタン、めちくろとかえんかめとかえんめちとかいろいろ呼び名があるようですが、当時は「ジクロロメタン」と言ってました。

Sunday, April 8, 2012

【本日の化学略語】HMPA

化学略語の検索サイト→Nanoniele
HMPA: hexamethylphosphoramide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=HMPA)






大学の学部4年生、研究室の配属直後に、先輩が蒸留しているのを見たのが最初でした。

かるはいで脱水し、減圧蒸留していたのですが、発がん性の疑いありということもあり、ビニール天袋を付けて慎重に扱っていたのを鮮明に憶えています。

その後、私もHMPAを扱うことになったのですが、「発がん性」というのが怖くて怖くて、ドラフトに蒸留したストック瓶を置き、シリンジで慎重に吸い出していました。

このHMPA、噂では500 mLビンの中身を股間にぶちまけた方がいらっしゃるとか。ぶちまけたところの皮が剥けたとか(これ以上話はのばしませんw)。

へんぱ(hempa)ともいいます。

Saturday, April 7, 2012

【本日の化学略語】THF

化学略語の検索サイト→Nanoniele
THF: tetrahydrofuran
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=THF)






これ、私が大学の学部生時代に、研究室に配属されて最初に使った溶媒です。今でこそ市販の脱水溶媒がありますが、当時はナトリウム−ベンゾフェノンケチル(りちある(!)を使っていた研究室もありました。)で乾燥・蒸留したものを、シリンジで取って使用していました。

実験は、確か、ヨウ化サマリウムと水素化ナトリウム、光学活性アルコールからサマリウムアルコキシド触媒を作り、向山型アルドール反応を行い、生成物の収率とエナンチオ選択性を算出する、というものだったと思います。窒素雰囲気下の反応で、えきちトラップや三方コックの扱い方等に苦労した記憶があります。

ちなみにヨウ化サマリウム、サマリウム金属とジヨードメタン等の有機ヨウ化物から作るのですが、青色に近い青緑色になるはずのものが黄土色のものができてしまい、「失敗したorz」とがっかりするかもしれませんが、未反応の金属が残っているようであれば、しばらく攪拌すれば青色になりますので、気長に待ちましょう。

Friday, April 6, 2012

逆引き機能をつけました

これまでNanonieleでは、略号をキーワードに、略号の意味を調べることができていました。

本日、スクリプトを少しいじりまして、キーワードから略号を検索できるようにしました。完全にマッチした場合のみ、説明が表示されます。

部分ヒットの場合、運が良ければ候補が表示されます。

今後ともNanonieleをよろしくお願いいたします。

The Art of Fluorescence Imaging with Chemical Sensors (Schäferling, M.; Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 3532-3534.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201105459/abstract

Conformationally flexible chiral supramolecular catalysts for enantioselective Diels–Alder reactions with anomalous endo/exo selectivities (Hatano, M.; Ishihara, K. Chem. Commun. 2012, 48, 4273-4283.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc00046f

東京都、中小の技術開発へ補助-3社以上のグループ対象 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1420120406hlaq.html

JX開発、米メキシコ湾で天然ガス産出を確認 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820120406caas.html

Thursday, April 5, 2012

ジャーナルのリンク付け3日目です

Nanonieleに登録している、学術雑誌名の略語へのリンク付の3日目です。Anal, Bio, Eng, Sciを含むものについて、作業を終えました。

これまでで一番多かったのが、Chemを含むものでした。もちろん、Jは除いています。

Googleさんところのbotは、略号をキーワードとするcrowlについてはおとなしくなりました。ただ、リンク部分についてはかなり頻繁にチェックしており、1秒間に10アクセスとか、割とよくあります。
いいのか?と思ったりするのですが、きっとサーバはこれくらいの頻度では落ちないのでしょう。


今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

JST新中計 産官学・異分野の「つなぎ」重点 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/05-6101.html

三菱レイヨン、広島に危機対策本部を設置-災害時リスクを回避 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820120405cbaa.html

光産業創成大学院大、爆縮高速点火方式の連続反応を実現-核融合発電に一歩 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120405eaai.html

ortho-Phenylene oligomers with terminal push–pull substitution (He, J.; Mathew, S. M.; Cornett, S. D.; Grundy, S. G.; Hartley, C. S. Org. Biomol. Chem. 2012, 10 3398-3405.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/ob/c2ob07146k

A convenient and mild chromatography-free method for the purification of the products of Wittig and Appel reactions (Byme, P. A.; Rajendran, K. V.; Muldoon, J.; Gilheary, D. G. Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 3531-3537.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/ob/c2ob07074j

Wednesday, April 4, 2012

本日もジャーナルのリンクを拡充中です。

Nanonieleに登録している学術雑誌の略号に、リンクを付ける作業を本日も続けています。

昨日は略号の中にPhysを含むものについて、そして本日は、Cat, Chem, Mater, Orgを含むものについて作業を終えました。

試しにJを含むものをリストアップしてみると…気が遠くなりました。

作業はゆるゆると進んでもります故、今後ともNanonieleを暖かく見守っていただけますと幸いです。

日宝化学 シアノ化剤のTMSCN量産化に成功 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/04-6092.html

係長は「人工知能」-東亜理化学研、人事労務を担当 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620120404aaay.html

C2 and the quadruple bond (Computational Organic Chemistry)
http://comporgchem.com/blog/?p=2204

成長分野等における中核的専門人材養成について-基本方針- (文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/1319412.htm

Tuesday, April 3, 2012

ジャーナルへのリンクを拡充しています。

http://www.nanoniele.jp/に登録している学術雑誌の略号毎に、オンラインジャーナルへのリンクを追加する作業を続けています。

メジャーどころはかなりの部分完了しましたが、新ジャーナルの略号がよくわからないところもあり、悪戦苦闘しています。

んで、あちこち検索していたら、こんなものを見つけました。Nature本体も、じぶんところの雑誌(Nature Materials等)の略号について、悩ましく思っているようで。
http://www.natureasia.com/japan/nchem/pdf/jj_03.pdf

今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

新会社の設立 (大学教授のぶっちゃけ話)
http://junjikido.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-1155.html

三菱樹脂 省エネに貢献 潜熱蓄熱ボード開発 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/03-6063.html

帝人化成 PC系位相差フィルム拡販 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/03-6071.html

NMR Study of Cation Dynamics in Three Crystalline States of 1-Butyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate Exhibiting Crystal Polymorphism (Endo, T.; Murata, H.; Imanari, M.; Mizushima, N.; Seki, H.; Nishikawa, K. J. Phys. Chem. B 2012, 116, 3780-3788.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp300636s

Structure and Dynamics of P,N-Containing Heterocycles and Their Metal Complexes in Solution (Latypov, S. K.; Strelnik, A. G.; Ignatieva, S. N.; Hey-Hawkins, E.; Balueva, A. S.; Karasik, A. A.; Sinyashin, O. G. J. Phys. Chem. A 2012, 116, 3182-3193.)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp209281c

理研と高輝度センター、X線自由電子レーザーSACLAを研究者らに提供 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120403eaaf.html

豊田織機子会社、中小に“トヨタ流”伝授-改善指導を事業化 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620120403aaao.html

Upcoming Science Events in New York City 2 – 9 April (NEW YORK BLOG )
http://blogs.nature.com/nyc/2012/04/02/upcoming-science-events-in-new-york-city-2-9-april/

Monday, April 2, 2012

Major journal for Chemistsシリーズを拡充、ラボスラングシリーズを公開しました。

http://www.nanoniele.jp/Major journal for Chemistsシリーズに記載されている、略号の数を増やしました。
もともとWebブラウザのブックマークに入っていたものを流用したので、作業量は少なめ。

また、化学系の研究室で使用されているスラングをシリーズにまとめ、公開しました。ひらがなで検索すると、ヒットするかと思われます。

今後ともNanonieleをよろしくお願い致します。

ポリオレフィン 値上げ大勢決着 異例のスピード (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/04/02-6056.html

The significance of the alkene size and the nature of the metal ion in metal–alkene complexes: a theoretical study (Premkumar, J. R.; Vijay, D.; Sastry, G. N. Dalton Trans. 2012, 41, 4965-4975.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/dt/c2dt30119a

Observations and Descriptions versus Explanations―An Example: Does Nature, Does Theory Know About Steric Hindrance? (Schwarz, W. H. E.; Schmidbaur, H. Chem. -Eur. J. 2012, 18, 4470-4479.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201102687/abstract

東大ナノ量子機構、世界最小のしきい値持つ量子ドットレーザー (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120402eaab.html

経産省、海外出願費の補助広げる-中小の知財活用促す (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620120402abaf.html

研究するには資格が必要 (ある理系社会人の思考)
http://fotlife.exblog.jp/18063204/

Sunday, April 1, 2012

構造式1500点

Nanonieleの新機能の一つに、構造式表示があります。まだ一部しか表示されませんが、20点/日のペースで足していってます。

構造式はChemDrawで描いています。どこからかのサイトから盗んだものでないことを示すために、構造式作成に使用したChemDrawのCDXMLファイルをダウンロードできるようにしています(一部できないものもあり)。

難しいのは構造名が-ateのもの例えば1,3,5-benzenetricarboxylate (btc)。とりあえずはアニオンとして描いていますが、これでいいものかと悩んでいます。

というわけで、今後ともNanonieleをよろしくお願いします。

Japanese universities find pair of researchers guilty of misconduct in 19 papers (Retraction Watch)
http://retractionwatch.wordpress.com/2012/03/28/japanese-universities-find-pair-of-researchers-guilty-of-misconduct-in-19-papers/

Starting over (有機化学美術館・分館)
http://blog.livedoor.jp/route408/archives/52008660.html

Saturday, March 31, 2012

タグ機能とお試し略号の表示機能を追加しました。

なのに〜るのWebサイトの機能強化を進めています。
本日、タグ機能とお試し略号の表示機能を追加しました。

タグ機能はとりあえず内部プログラムの強化のみで、タグはこれから少しずつ追加していいきますので、現時点でタグが表示されることはほとんどないと思います。
↓とりあえず、タグ表示ができることは確認できます(DCC)。

http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=nanoniele_weblog&keyword=DCC

お試し略号は、新規に追加したもの、部分一致しているもの、データベース中で隣にあるものが表示されています。

ただし、部分一致しているものは5項目に制限しています。
制限しないと、例えば検索項目に"a"と入れた場合、とんでもないことになりますので(笑

今後ともなのに〜るをよろしくお願いいたします。

Friday, March 30, 2012

コア部分作り始めました。

Nanonieleのサイトのコア部分の作成をスタートしました。3ヶ月程度かけて、自由度の高い入力・出力を可能にしたいと思います。

具体的に何を作るのかはまだ秘密ということで。

SM需要に回復の兆し (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/03/30-6036.html

日揮 米国天然ガス田の生産開始 (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/03/30-6026.html

Do Carbenes Have a “Hidden” Carbon(0) Character? Revisiting the Electronic Structure of 2,2′-Bipyridyl Carbene (Kanti, A.; Phukan, A. K. Chem. -Eur. J. 2012, 18, 4419-4425.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201103250/abstract

Design of main-chain polymers of chiral imidazolidinone for asymmetric organocatalysis application (Haraguchi, N.; Kiyono, H.; Takemura, Y.; Itsuno, S. Chem. Commun. 2012, 48, 4011-4013.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc18115k

Concatenation of reversible electronic energy transfer and photoinduced electron transfer to control a molecular piston (Scarpantonio, L.; Tron, A.; Destribats, C.; Godard, P.; McClenaghan, N. D. Chem. Commun. 2012, 48, 3981-3983.)
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2012/cc/c2cc30527e

The Development of Bulky Palladium NHC Complexes for the Most-Challenging Cross- (Valente, C.; Çalimsiz, S.; Hoi, K. H.; Mallik, D.; Sayah, M.; Organ, M .G. Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 3314-3332.)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201106131/abstract

JAXA、次世代版イオンエンジン部品をUAEの衛星に搭載-初の海外供給 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520120330aabe.html

東北大とJCII、超臨界ナノ材を研究-車部品など63社・4機関と組織化 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120330eaai.html

あなたが使っている Pd2(dba)3 の純度は? (気ままに有機化学)
http://chemistry4410.seesaa.net/article/261041452.html

Thursday, March 29, 2012

Goodleのbot復活

Goodleさんとこのbotが再びcrowlを始めました。どこから検索キーワードを拾ってきたのか謎でしたが、いくつかのものは私のサイトでピックアップしたものだというところまでは一応わかりました。

というわけで、またアクセスの制限を厳しくしています。

A NMR and computational study of Smac mimics targeting both the BIR2 and BIR3 domains in XIAP protein (Potenza, D.; Belvisi, L.; Vasile, F.; Moroni, E.; Cossu, F.; Seneci, P. Org. Biomol. Chem. 2012, 10, 3278-3287.)
http://pubs.rsc.org/en/Journals/JournalIssues/OB#!issueid=ob010016&type=current&issnprint=1477-0520

レアアース安定供給 日米欧が連携強化へ (化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2012/03/29-6020.html

大ガス、化学事業子会社に新規材料の研究所-5年内開発目指す (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820120329caal.html

JAXA、「ALOS―2」相乗り小型衛星に4基を選定 (日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120329abau.html