Monday, March 31, 2014

New 11 terms (2014/3/31)

MTP
molecular transfer printing

TBPPi
tert-butyl peroxypivalate

TAPPi
tert-amyl peroxypivalate

MAF-tBu
tert-butyl trifluoromethacrylate

CP
cationic polymerization

FRPCP
free radical promoted cationic polymerization

EPOX
(3,4-epoxycyclohexane)methyl 3,4-epoxycyclohexylcarboxylate

OCMRP
organocobalt-mediated radical polymerization

OHMRP
organoheteroatom-mediated radical polymerization

MAM
more activated monomer

LAM
less activated monomer

Sunday, March 30, 2014

New 8 terms (2014/3/30)

CEEE
2-chloroethyl ethyl ether

DMC
2-chloro-1,3-dimethylimi- dazolinium chloride

NMP
nucleotide monophosphate

MBDMA
p-methoxybenzaldehyde dimethyl acetal

TGBC
top-gate, bottom-contact

TMSO
trimethylsilyloxyl

RIM
restriction of the intramolecular mobility

VA-044
2,2′-azobis[2-(2-imidazolin-2- yl)propane] dihydrochloride

Monday, March 24, 2014

【本日の化学略語】TBA

TBA: tert-butyl alcohol



実験ではプロトン源として、時には溶媒として使用しました。融点は25℃くらい。

気温の低い時には固めってますので、薬サジのたぐいで試薬瓶から取り出すのがやりやすい。しかしながら、大気に触れさせたくない場合には、シリンジ等でTBAをはかり取る必要があるのです(グローブボックスの中で扱うのは嫌だなぁ、プロトン源だし。)。

蒸留してストックしてある固体を暖めて液体とし、予め暖めておいた注射針付のシリンジで抜き取り、反応等に使用するフラスコへ移すという、ちょっとやっかいな手順を踏まなければいけないという…。モタモタして注射針を冷やしてしまうと、TBAが固化して針が目詰まりを起こすのです。

あ、試薬瓶が大きく、暖めるのが大変だからと、一部だけ液体になったTBAをピックアップするのアレですから。パピコの最初と最後の味が違うというやつ。

Thursday, March 20, 2014

【本日の化学略語】FL

FL: fluorene



NBSで臭素化したり、n-ブチルリチウムでリチオ化して求電子剤と反応させたりしてました。

NBSの臭素化では、2-ブロモフルオレンと2,7-ジブロモフルオレンの両方が生成してしまうのです。2,7-ジブロモフルオレンは過剰量のNBSを使えば簡単に得られるのですが、当時欲しいなと思っていたのは2-ブロモフルオレン。

ひたすら再結晶です。急いで欲しいわけではなかったので(急用なら市販品を購入するつもりだった)、大量合成したものから、暇な時間を使ってコツコツと再結晶してました。

FL、この略号が使われるのが偶然なのかはわかりませんが、発光材料としてこの骨格を含む化合物がよく合成・使用されてますが、FLそのものは酸化されてフルオレノンになったりすしますし、特に高分子化した時には溶解性が悪くなりますので、アルキル化等して酸化部位を塞いだり脂溶性を高めたり、といろいろ工夫がなされたり。

Wednesday, March 19, 2014

【本日の化学略語】ONP

ONP: o-nitrophenol



芳香族求核置換反応を検討するための基質の前駆体として使用してました。

芳香族化合物というのは、一般的には求電子置換反応が起こり、求核置換反応は起こりにくいと言われていますが、芳香環上にニトロ基等があると、求核置換反応が起こることがあります。脱離基はClやF等。

んで、私はp-トルエンスルホニルオキシ基(p-C6H4SO3)で検討していたのですが、これではダメで、ちょっとゴニョゴニョと工夫したケースについて、実験を進めてました。求核剤がアルコールの場合とアミンの場合で反応の選択性が違ったり、また、OH基とNO2基の位置が結構重要だったり、得られたニトロ化合物をアミンに還元して何かに誘導したりと、いろいろやってました。

何年前だっけな。

Tuesday, March 18, 2014

【本日の化学略語】TBuA

TBuA: tributylamine



実験での主な使用目的は塩基でした。塩基として以外に使用したことはなかったような。

例えばMizoroki-Heck反応では塩基としてトリエチルアミンを使用するのですが、トリエチルアミンの沸点は89℃近く。この温度では、炭素−臭素結合がパラジウム触媒で切断されにくく、臭化物の反応には使用できない。ということで、より沸点の高い(214℃)TBuAを、125℃くらいの反応に使用していました。

反応温度が高いですから、反応は確かに進行してくれる。ただ、TBuAの沸点が高いというメリットは、そのままデメリット。反応後に生成物を分離しようとして、TBuAがなかなか除ききれない、ということも。酸処理でTBuAをアンモニウム塩にして水洗浄にかけても、どうしても有機相に残ってしまう…。

トリプロピルアミンは沸点156℃、エチルジイソプロピルアミンは127℃と他にもいろいろありますが、お値段と相談です。

Monday, March 17, 2014

【本日の化学略語】1-NpCHO

1-NpCHO: 1-naphthaldehyde



この化合物、酸化剤として実験で使用していました。

一般には、アルデヒドは還元剤として機能し、機能した後はカルボン酸になる、というのが教科書的ではありますが、酸化剤として機能し、機能した後はアルコールというのもあります。Meerwein-Ponndorf-Verley還元とかですね。

私が博士課程の学生として研究していた時に、アルジミンを希土類金属で還元して、適当な酸化剤を作用させるとジイミンが生成する実験を行っていました。最初は酸素やキノンを試していたのですが、あるときヤケクソでというわけではなかったのですが、p-トルアルデヒドをフラスコに投入すると、かなりの収率でジイミンが生成したのです。なんでp-トルアルデヒドかというと、ベンズアルデヒド由来のアルジミンを反応させてたからなのですね。生成物に由来の区別がつくように、と。

p-トルアルデヒドでうまくいくのなら、他のアルデヒドを試そうということで、ここからはラボのメンバーにバトンタッチ。1-NpCHOがベストなのが明らかとなり、基質の適用範囲の検討と、反応機構の解明のための実験を行い、論文として発表となりました。

Friday, March 14, 2014

【本日の化学略語】GBL

GBL: γ-butyrolactone



反応基質の原料として使用していました。

GBLをリチウムジイソピルアミド(LDA)でリチウムエノラートとした後、クロロトリメチルシランと反応させてケテンシリルアセタールを合成してました。
向山型アルドール反応や、ケテンシリルアセタールのシリル基の転位反応を検討していたのを憶えています。

このGBL、合成上の厳密性が要求されなければ、購入したものをただちに使用して問題ないのですが、何年も前に購入してラボに保管されていたものを使ったりすると、ドロドロしたわけのわからないものになっていた等、実験が失敗することが多々あり、実際私も経験しました。失敗したら新しい薬品発注すればいいや〜、とか…失敗するのわかってるなら急がば回れで新品使えばいいのに、です。

長期保存されたものは、重合してるんですよね。場合によっては完全に重合して瓶の中身が固体だったり。それはそれで、あ、これアカンやつ、となってよけいな実験しなくてすむわけですが。

…というように、新鮮なものを使え、という、研究のキホンを身をもって示してくれるのが、このGBLです。

Thursday, March 13, 2014

【本日の化学略語】MA (maleic anhydride)

MA: maleic anhydride



市販品は白色の固体。反応の基質として実験に使用したことがあります。
反応ですが、ひとつはDiels-Alder反応。学部3年の最初の学生実験で、シクロペンタジエンと反応させ、付加体を再結晶で精製するというものでした。その後、濃硫酸と反応させたのですが、生成物なんだっけな…忘れてしまいました。

もうひとつの反応はカルベン補足。ジアリールチオケトンと希土類金属を反応させるとカルベンが発生するのではと、補足剤としてMAを選択したのでした。期待したシクロプロパン誘導体は生成せず、なんだかわけのわからないものになってしまいましたが…。カルベンにも一重項ものとか三重項ものとか、電子リッチなものとかそうでないものとかいろいろありますから、カルベン補足剤も適宜選択しないといけなかったわけで。

MAの消化精製は見ていて楽しかった。

Wednesday, March 12, 2014

【本日の化学略語】DMF

DMF: N,N-dimethylformamide



アルデヒドやアルキン合成の基質として使用されることもありますが、私が使用していた主な目的は、反応溶媒でした。基質として使ったのは1、2回くらいじゃないでしょうか。

安価に入手できて、高極性、非プロトン性で、沸点も150℃近いので、遷移金属触媒下での反応によく使用していました。市販品を水素化カルシウムで乾燥して蒸留したものを使用していたこともありますし、購入した瓶から取り出してそのまま、ということも。芳香族化合物化合物の臭素化をする時には後者でした。


余談ですが、DMFの窒素原子がちょっと嫌な時には、プロピレンカーボネートを試したことあります。

Tuesday, March 11, 2014

【本日の化学略語】BN (benzonitrile)

BN: benzonitrile



ベンゼン誘導体は特有の香りがするものが多いですが、この化合物も少量で強く甘ったるい匂いがします。

私の主な実験用途は、反応探索のモデル基質でした。

この化合物に炭素求核剤を反応させ、(ヒドリド還元ではなく)二電子還元でアミンを合成する反応と、o-C-H結合活性化によるベンゼン環への官能基導入でした。
前者はうまくいきましたが、後者は収率が伸び悩んだのに加え、生成物の構造もこれでいいのかなあという怪しさもあり結局お蔵入り。20年経ってから、他の研究グループが同じタイプの反応を報告してました。

当時所属していたラボの主要な研究テーマがC-H結合活性化であり、私は別のテーマの研究をしていたところで、うまく融合できるのではと淡い期待を抱きつつ実験を進めていたのを憶えています。

Monday, March 10, 2014

【本日の化学略語】DMPU

DMPU N,N'-dimethylpropyleneurea





発がん性のあるHMPA (hexamethylphosphoramide)の代替として試したことがよくありました。
HMPAの代替としては、DMI (1,3-dimethyl-2-imidazolidinone)やTMU (1,1,3,3-tetramethylurea)等の尿素系の化合物があり、DMPUもその中のひとつです。高極性の非プロトン性溶媒の他、金属配位子としても機能します。

THF (tetrahydrofuran)中での電子移動を伴う反応で、これらの化合物の添加の効果を調べたことが何度かやりましたが、最も良好だったのがHMPA、次いでDMI, DMPU, TMUでした。TMUに至っては、添加する効果がほとんどないケースもしばしば。HMPAの代替としては、DMPUよりもDMIの方が良さそうです。エーテル抽出&水洗浄で、有機層から水層へ逃げやすいのもDMIでした(HMPAはもっと逃げてくれます)。

逆に考えれば、DMPUは抽出剤として使えるのではないか、とも思ったりもします。

Friday, March 7, 2014

【本日の化学略語】AN (anthracene)

AN: anthracene



紫外光をあてるとペカーっと光る化合物です。このもの自体を材料に何かすることはありませんでしたが、「原料」としたことはありました。ラボで長期間眠っているものは酸化されてるかもしれないので、面倒でも再結晶してから使うが吉。

私がこの化合物を使ったのは、臭素化でした。ジメチルホルムアミド中でN-ブロモコハク酸イミドと反応させて9-ブロモアントラセン、下の画像の左側のほうのを合成してました。混ぜて放ったらかし、適当なところで抽出。



混ぜて放ったらかしの反応ですから、9.10-ジブロモアントラセン、上の画像の右側のも副生するのです。少々混ざってても次のステップには差し支えなかったのですが、別途使うこともあるかもと、再結晶。一度の再結晶では右のと左のとをきれいに分離できないので、純度別に複数のフラスコにわけて再結晶。結晶と母液の純度をそれぞれチェックして、相応の純度のものが入っているフラスコにそれぞれ移動、こいつをまた再結晶…。と、多段式で精製してました。加熱して飽和溶液にして室温冷却、というルーチンワークでしたから、隙間時間に可能なことでしたので(日数はかかりますが、それでも早い段階で少量は高純度品が確保できました)、作業負荷は低かった…と記憶してます。

Thursday, March 6, 2014

【本日の化学略語】Val

Val: valine



研究室に配属されて初めて使ったアミノ酸がValでした。塩酸塩だったと思います。

ペプチド合成とかではなく、エステル化した後にケトンと反応させてイミンとし、希土類化合物と反応させてました。光学活性な希土類金属錯体が生成し、単離できるのではと期待したのですが、結局原料回収。

研究室内での希土類金属錯体の結晶化のノウハウが蓄積し始めた頃で、なんでもかんでも結晶化を試みていました。当時はもっといいインフラがあればと思ったのですが、ぜいたくな悩みでした。研究の場を移るに従い、あのインフラが最高だったのだと思うようになったのです。

Wednesday, March 5, 2014

【本日の化学略語】An (anisyl)



(画像はAnH, anisoleです)

Anは3種類ありますが、特に記載することがなければ、p-anisyl基。

An基を含む化合物はいろいろ使用しました。少量でも匂うものが多かった記憶が。
An基を含む化合物の反応性が他の置換基を含むものとどう違うかを調べるのが主な実験の目的でした。Friedel-Craftsタイプの反応の位置選択性とか、An-ハロゲン結合の酸化的付加やAnCHOへの求核剤付加・電子移動等、多様な反応のテストとかにです。

An基中のメトキシ基が電子供与性なので、フェニル基と比較してベンゼン環の電子密度が高くなること、ベンゼン環を通して官能基の電子密度が同じく高くなることが、反応での反応性にどう影響を与えるか…。そういうのを調べてました。

反応以外では、π共役化合物の発光特性、例えば発光ピーク波長や発光効率が、An基中のメトキシ基の有無でどう変わるかを見ていましたし、溶解性についても検討したり、と。
メトキシ基て小さめの置換基なのですが、溶解性の影響が大きかった。これは、実験やってて驚きでした。

Tuesday, March 4, 2014

【本日の化学略語】BZP

BZP: benzophenone



もお世話になった有機化合物のひとつです。

主な用途は溶媒の乾燥。この化合物と金属ナトリウムと乾燥させたい溶媒を蒸留釜の中で混合・攪拌し、場合によっては加熱・還流させたりすると、ベンゾフェノンとナトリウムが反応して、脱水力を持つナトリウム−ベンゾフェノンケチルやナトリウム−ベンゾフェノンジアニオンとなるのです。テトラヒドロフラン(THF)の場合は、濃い紫色になるまでじっくりと反応させてました。青だと乾燥がイマイチなんですよね。

最近ではもっといい乾燥剤がありますし、ナトリウムは扱いがアレなので、使われなくなりつつある…かな。

ベンゾフェノンには独特の香りというか匂いがありますが、ベンゾフェノン臭のするグッズ、Francfrancで見つけました。さきっちょに細いナイロンのような糸が束ねてある、Ziboのロゴが刻まれてるホコリとり。

株主優待で買ってもう4年は経つと思うんですが、まだ香りがします。

Monday, March 3, 2014

【本日の化学略語】MTBE

MTBE: methyl tert-butyl ether



ガソリンの添加剤として一時期脚光を浴びたこともあった化合物。
実験用途としては、引火性の高いジエチルエーテルの代用として、抽出溶媒として使用したことがあります。動物実験での発ガン性が認められているので、扱いにはそれなりの対策が必要。

使用感ですが、ジエチルエーテル(沸点35℃)よりも沸点が高い(55℃)いものの、抽出溶液の濃縮に不便を感じることはありませんでした。ただ、MTBEは極性があまり高くないようで、水層からの抽出力はジエチルエーテルに劣ってました。炭化水素のヘキサンやトルエンと大差ないかも。

個人的に困ったのが、MTBEの除去。濃縮や再結晶後にNMR測定を行うと、MTBE由来のシグナルが。シングレットがピコーンと。tert-ブチル基があるので、よく見えるんです。