Friday, March 7, 2014

【本日の化学略語】AN (anthracene)

AN: anthracene



紫外光をあてるとペカーっと光る化合物です。このもの自体を材料に何かすることはありませんでしたが、「原料」としたことはありました。ラボで長期間眠っているものは酸化されてるかもしれないので、面倒でも再結晶してから使うが吉。

私がこの化合物を使ったのは、臭素化でした。ジメチルホルムアミド中でN-ブロモコハク酸イミドと反応させて9-ブロモアントラセン、下の画像の左側のほうのを合成してました。混ぜて放ったらかし、適当なところで抽出。



混ぜて放ったらかしの反応ですから、9.10-ジブロモアントラセン、上の画像の右側のも副生するのです。少々混ざってても次のステップには差し支えなかったのですが、別途使うこともあるかもと、再結晶。一度の再結晶では右のと左のとをきれいに分離できないので、純度別に複数のフラスコにわけて再結晶。結晶と母液の純度をそれぞれチェックして、相応の純度のものが入っているフラスコにそれぞれ移動、こいつをまた再結晶…。と、多段式で精製してました。加熱して飽和溶液にして室温冷却、というルーチンワークでしたから、隙間時間に可能なことでしたので(日数はかかりますが、それでも早い段階で少量は高純度品が確保できました)、作業負荷は低かった…と記憶してます。

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