Thursday, February 13, 2014
【本日の化学略語】DPMS
化学略語の検索サイト→Nanoniele
DPMS: diphenylmethylsilane
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=DPMS)
大学院の博士課程の時に良く扱いました。灯油のような香り。
希土類触媒を使ってアルキンのヒドロシリル化を検討していました。当時の助教授の先生からの「ちょっとやってみてくれ」が始まりだったと思います。最初はトリエチルシランを使っていました。
反応仕込んで一晩攪拌した後、GCでチェックすると、ものすごく小さなピークが見つかったのです。「なんじゃこれ?」と、とりあえずシリカカラムで生成物を分離し、NMRスペクトルを測定してみると、ターゲットのビニルシランの類ではない、と。でも、アルキン由来の部位もヒドロシランの部位もあるしで、なんだろなとしばらく悩んでると、ああ、アルキニルシランだ、そういえば反応開始直後に気泡のようなものが出てたなぁと。そう思ってIRやMSスペクトルをとってみると、ビンゴでした。アルキンとトリエチルシランの脱水素カップリングが起こっていたと結論。
均一触媒下でのCDCのひとつですね。
その後、この反応を学部4年の新入りさんが追求することに。トリエチルシランでは収率が10%台と低いので、どうしたものかと思っていると、助教授の先生が「フェニル基ついたシランがええど」と。ここでDPMSを試すと、反応時に大量の気泡が発生し、アルキニルシランが高収率で生成。
ヒドロシランの性質を熟知した先生、さすがだなぁと思ったのでした。
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