TsOH: p-toluenesulfonic acid
有機酸触媒として最も使用される化合物のひとつと思われます。私が最初に使用したのも、酸触媒としてだったと思います。ベンゾフェノンとアニリンからケチミンを合成する際、溶媒をトルエンとして共沸脱水していましたので、硫酸や酢酸では都合が悪い、ということでTsOHをチョイスしていた、と。TsOHは有機溶媒に対する溶解性が割と良かったので。
学生時代には、希土類ルイス酸触媒存在下での新反応を探索していましたので、ルイス酸触媒の性能を相対的に評価するためにも、TsOHを使用していました。TsOHはプロトン酸触媒ですので一概に比較はできないのですが、安価でしたので、とにかくこいつの性能を超えなければ話にならなかったのです。
最近では様々な機能を持つ有機酸触媒が多数報告されていますが、こいつに勝るものはないんじゃないかな、と思ってます。固体ですから取り扱いも楽です。
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