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MS: mass spectrometry
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=MS)
装置を初めて使用したのはM1の時でした。それまでは、先輩に取ってもらっていました。
当時のMS装置は確かShimadzuのQP-1000だったと思います。DIとGCの両方できましたが、DIはイオン源が汚れやすいため、怖くて使えませんでした。もちろん今では使えますが。
このQP-1000、記憶装置はフロッピーディスク、しかも8インチです。PCを触っていたので5インチのフロッピーディスクは見慣れていましたが、8インチはでかい。文字が示す通り、本当にペラッペラでしたし、一部磁性体が見えるという、本当に取り扱いに気を使うものでした。
とはいえ、化学系ではよくあることでしたが、ある日、サンプリング用のマイクロシリンジを洗うアセトンをフロッピーディスクの上にこぼし、ディスクを台無しにしてしまう事故も、研究室ではありました。
んで、QP-1000でのデータの取り込みですが、ハードディスクがありませんので、今のようにデータ取りをさせたまま放置することはできませんでしたから、単色緑色のモニタをじっと眺め、フラグメント等のシグナルが現れたところでスキャンボタンを押し、データをフロッピーディスクに保存していました。もちろん、測定中の解析なんてものはできません。
スキャンボタンを押すタイミングを逃せば、サンプリングからやり直しです。当然、GCのオーブンは冷まさなければいけません。スキャンボタンを押したとしても、フロッピーディスクがデータで一杯になれば、エラーが出てやり直しです。フロッピーディスクの容量はたったの128KB。前に測定した人のデータが残っていれば、「危険度」は上がります。
そんなわけでMS測定には、装置や記憶装置にもですが、他のメンバーにも気を使っていました。
とはいえ、当時の世界的な研究ペースは、今と比べてとてもゆっくりしていましたので、MS測定の空き時間に居眠りしたりぼーっとしたりと、自分の時間を簡単に作ることができたのは、良かったんではないかなと思ったりします。
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