Monday, May 14, 2012

【本日の化学略語】XyNC

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XyNC: 2,6-Xylyl isocyanide
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=XyNC)



大学院の修士課程のとき、後輩が合成し、反応に使用していました。
対応するホルムアミドとオキシ塩化リンから合成していたと記憶しています。一酸化炭素の等電子体として、ランタノイド錯体との反応を調べていました。

この化合物を取り扱った感想は「とにかく臭い」。当時は「えげつないにおい」と言っていた気がします。固体ではありましたが、それでも鼻にくる。他のイソシアニドはもっとひどかった。イソシアニドはこうも臭いのかと思い知らされました。

で、肝心の反応はというと、何かしらの化合物が生成。精製し、IRスペクトルを測定すると、イミンらしい吸収があり、NMRR測定を行うとアルジミンと思われるシグナルが。元素分析もOK。当時の助教授の先生とディスカッションし、錯体中の有機基−金属結合への挿入、プロトン化が起こったという結論に。

その後、錯体中のへテロ原子が変わると違う反応が起こることもわかりました。臭い臭いとは言いましたが、相応の実りがあったと思います。

そういえば、一仕事終わっても合成したイソシアニドはまだ残っていたはずですが、あれ、どうなったのでしょうか…。他の人に臭い思いをさせてしまったかもしれません。申し訳ない。



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