化学略語の検索サイト→Nanoniele
TMSOTf: trimethylsilyl trifluormethanesulfonate
(http://www.nanoniele.jp/cgi-bin/nanoniele.cgi?inputsite=weblog&keyword=TMSOTf)
M2の時、エステルのシリルエノラート(KSA)の異性化の触媒として使用したのが初めてでした。
当時は今よりも反応のスケールは大きく、基質は2 mmol使用していました。触媒は0.1〜1 mol%に設定していましたので、TMSOTfは0.002〜0.02 mmol使用することになるわけですが、悩みました。どうやって量り取るかを。
TMSOTf入りの試薬瓶を開けると、白煙がモウモウと出てきます。ここから0.002mmol量るとなると、マイクロシリンジを使わなければいけない。でも、TMSOTfを取ると、シリンジが詰まってしまう…。
というわけで、多めに取って、反応溶媒と同じ溶媒で希釈して、一部を溶液として取り出して使用することにしました。
でも、白煙モウモウの問題が残っています。グローブボックスなるものはありません(あってもTMSOTfを入れたくない。)。んで、1Lくらいの市販のビニール袋の角を切り、ビニール袋に試薬瓶を入れ、ビニール袋の広口にチューブを付けて輪ゴムを巻き、アルゴンラインにつなぐことにしました。アルゴンを流してビニール袋の中の空気を追い出し、ビニール越しに瓶を開け、切った角から注射針をつっこみ、なんとかTMSOTfを取り出すことができました。
丁寧に取り出したからかどうかはわかりませんが、TMSOTf触媒は対照実験で使ったのに、他の触媒よりも高い活性を示したのでした。
No comments:
Post a Comment